2004.01.26

歯の再石灰化を促すトクホ・ガム3品がそろい踏み 比較試験では優位性は不明、本当にお得な製品はどれ?

 初期の虫歯を治す効果のあるガムが、3社から出そろった。キャドバリー・ジャパン「リカルデント」、ロッテ「キシリトール+2」、江崎グリコ「ポスカム」だ。

 いずれも、厚生労働省が歯の再石灰化効果を認めたトクホ(特定保健用食品)ガム。「リカルデント」と「キシリトール」は全国で、「ポスカム」は関東、甲信越、静岡県のみで発売されている。最後発の「ポスカム」が、今年5月の粒ガム発売に続き、この10月から板ガムにもトクホ表示が可能になったため、3社の製品が市場に並ぶことになった。

 3商品とも、歯の再石灰化を促進する効果がヒト試験で確認された“効果の確かな”ガムだが、各社とも自社製品が優れているという比較試験の結果を論文として発表。この論文内容に基づいた比較広告をめぐって、ロッテが江崎グリコを相手取って訴訟を起こすなど、トクホ・ガムをめぐる競争は激化している。

効果の比較試験で、自社の優位性を示すが…

 各社が論文として発表した効果比較をまとめると次のようになる。

(1)「リカルデント」の効果は、「キシリトール+2」の2倍《ヒト試験、豪州Melbouren大学歯学部の研究》

(2)「ポスカム」の効果は、「キシリトール+2」の5倍《ヒト唾液 in vitro試験、岩手医科大学歯学部》

(3)「キシリトール+2」の効果は、「ポスカム」の2倍《人工唾液 in vitro試験、東京歯科大学》

(4)「ポスカム」の効果は、「リカルデント」の無限大(∞)倍《ヒト唾液 in vitro試験、岩手医科大学歯学部》(この試験では「リカルデント」の再石灰化効果は認められなかった)

 比較に用いている再石灰化の評価方法が各社で異なるため、どの商品が本当に優れているのか、まったく混沌とした状態だ。

 これらの評価方法で最も信ぴょう性が高そうなのは、(1)のヒト試験。だが、同じヒト試験でも試験の条件設定はいろいろあり、国際的に標準化された方法はまだない。また、(1)はオーストラリアで実施された試験の結果であり、日本の食生活では試験結果が違うことも十分にあり得る。

コストと効果の比較を試算してみると

 そこで視点を変えて、厚生労働省が認めた再石灰化の効果を得るために必要なガムの購入コストを比較してみた。1度に口に含む量、1日にかむ回数、効果が確認されるまでの日数を比較するもの。これらのデータは、各商品に表示されている。

 通常の販売価格である1個120円を基に、コストを試算してランキングにしてみた(なお、この結果は、だれが計算しても同じになる)。

 ただし、「キシリトール+2」と「ポスカム」の粒ガムは、1粒当たりの値段が数%安いお徳なボトルタイプも発売されている。

■1日コスト比較

1位)40円 「リカルデント」タブレット
2位)48円 「リカルデント」板ガム
3位)53円 「ポスカム」板ガム
4位)68円 「ポスカム」粒ガム
5位)68円 「リカルデント」粒ガム
6位)120円 「キシリトール+2」粒ガム
7位)120円 「キシリトール+2」板ガム

■効果が確認されている期間全体のコスト比較

1位)373円(1週間分) 「ポスカム」板ガム
2位)480円(1週間分) 「ポスカム」粒ガム
3位)560円(2週間分) 「リカルデント」タブレット
4位)672円(2週間分) 「リカルデント」板ガム
5位)840円(1週間分) 「キシリトール+2」粒ガム
6位)840円(1週間分) 「キシリトール+2」板ガム
7位)960円(2週間分) 「リカルデント」粒ガム

 このランキングには、10月20日から順次発売になっている「リカルデント」のタブレットタイプも入れた。これはガムではないが、ガムと同じく「歯の脱灰を抑制するだけでなく再石灰化を増強する」CPP-ACPという成分が配合されている。(河田孝雄)


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