2004.01.20

OSAS患者へのCPAP治療でインスリン抵抗性が迅速に改善

 糖尿病を合併していない、閉塞性の睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者40人を対象とした研究で、持続陽圧呼吸器(CPAP)による治療開始後、わずか二日でインスリン抵抗性が有意に改善することがわかった。この改善効果は、3カ月後も維持されていたという。ドイツFriedrich-Alexander大学のIgor A. Harsch氏らによる研究結果で、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(AJRCCM)誌1月15日号に掲載された。

 OSAS患者ではインスリン抵抗性が高いとの報告は多いが、CPAP治療でインスリン抵抗性が改善されるか否かについては一定の結果が得られていない。研究グループは、過去に報告された研究はいずれも症例数が10人以下と少なく、検出力が足りなかった可能性があると考察。40人の糖尿病非合併OSAS患者を対象とした研究を行った。

 対象患者の平均年齢は54歳、40人中34人が男性で、体格指数(BMI)の平均値は33。20人に高脂血症、24人に高血圧があり、5人には空腹時高血糖(IFG)があった。全員に日中の眠気があり、無呼吸低換気指数(AHI、睡眠1時間あたりの無呼吸や呼吸低下の回数)の平均値は43だった。

 CPAP治療を開始してから2日後、AHIは5.5にまで改善。酸素飽和度や酸素不飽和指数(ODI)などその他の指標にも大幅な改善がみられた。さらに、インスリン抵抗性の指標となるインスリン感受性インデックス(ISI)も、CPAP治療開始前の5.75μmol/kg・分から6.79μmol/kg・分へと、有意に上昇(p=0.003)。うち31人については3カ月後も測定を行ったが、ISIは7.54μmol/kg・分で、インスリン抵抗性の改善は3カ月後も維持されていることが明らかになった。

 興味深いのは、BMI別にみたISI値の変化。当初のBMIが30未満だった16人では、2日間でISIが8.53μmol/kg・分から10.47μmol/kg・分へと有意に上昇していた(p=0.001)。ところが、BMIが30を超える24人では、ISIは3.89μmol/kg・分から4.33μmol/kg・分へと、やや上昇したが有意な差ではなかった(p=0.13)。

 以上から研究グループは、CPAP治療によるインスリン抵抗性のすみやかな改善は、主に交感神経活性の抑制作用によると考察。肥満がある人で改善効果が弱いのは、インスリン抵抗性に対し、睡眠時無呼吸よりも肥満の影響の方が大きいためではないかとみている。

 この論文のタイトルは、「Continuous Positive Airway Pressure Treatment Rapidly Improves Insulin Sensitivity in Patients with Obstructive Sleep Apnea Syndrome」。アブストラクトは、こちらまで。(内山郁子)

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