2004.01.08

アルプスの山の手作りチーズはαリノレン酸が豊富−−スイス研究

 アルプス高地で放牧した牛のミルクから、伝統的な製法で作った「アルプチーズ」に、他のチーズの2倍以上、n-3系(ω-3系)脂肪酸のα(アルファ)リノレン酸(ALA)が含まれていることがわかった。食事からALAをたくさん摂取する人には心臓病が少ないとのデータがあり、研究グループは「普段食べるチーズをアルプチーズにすることで、心臓病の予防に役立つ可能性がある」とみている。研究結果は、Circulation誌1月6/13日号に掲載された。

 n-3系の脂肪酸は、心臓病などの予防に役立つとして、注目が高まっている健康成分。亜麻の種子(亜麻仁)などの植物に含まれるALAのほか、寒流系の魚に多いドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)が代表格だ。

 アルプスの高地(海抜3700〜6200フィート、約1100〜1900メートル)に生える植物には、ALAが特に豊富に含まれており、そこで放牧された牛のミルクにもALAが多いことが知られている。また、最近は牛の飼料に亜麻の種子を添加して、ALAの含有量を高めた牛乳も生産されている。しかし、牛乳から作ったチーズに、ALAなどのn-3系脂肪酸がどのくらい含まれているかは分かっていなかった。

 そこで、スイスAargau州Baden州立病院のChrista B. Hauswirth氏らは、アルプス高地で手作りされているアルプチーズと、工場生産のスイスチーズ(エメンタールチーズ)、英国のチェダーチーズ、ALA強化牛乳で作ったチーズとで、ALAなどの含有量がどの程度違うかを調べた。

 その結果、アルプチーズには、英国のチェダーチーズの4倍のALAが含まれていることが判明。ALAの含有量は、同じスイスチーズのエメンタールと比べても2.5倍、ALA強化牛乳から作ったチーズの2倍に達した。

 Hauswirth氏らによると、普段チェダーチーズを食べている人が、代わりにアルプチーズを食べれば、心筋梗塞で死ぬリスクを15〜20%引き下げられる計算になるという。チーズフォンデュのおいしい季節、独特の香りを持つアルプスの山チーズが注目を集めそうだ。

 この論文のタイトルは、「High ω-3 Fatty Acid Content in Alpine Cheese」。アブストラクトは、こちらまで。(内山郁子)

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