2004.01.06

AHAが選ぶ「2003年の十大ニュース」、1位は高血圧新ガイドライン

 米国心臓協会(AHA)はこのほど、心疾患・脳卒中領域における、2003年の“十大ニュース”(top ten advances)を選定した。第1位に選ばれたのは、昨年5月に発表された、米国の高血圧新ガイドライン「JNC7」。第2位には新規経口抗凝固薬のキシメラガトラン、第3位には公衆アクセス型の自動体外式除細動器(AED)がランクインした。

 第1位に選ばれた、高血圧の予防、発見、診断、治療に関する米国合同委員会第7次報告(JNC7)(関連トピックス参照)の選定理由の一つは、「高血圧前症」という新しい管理概念を導入したこと。この段階の人々にいち早く生活習慣の改善を促すことで、将来の高血圧発症を予防するとの新戦略が評価された。

 第2位のキシメラガトラン、第3位の公衆アクセス型AED(PAD)はいずれも、昨年11月の年次集会プレナリー(必須)セッションで研究成果が発表されたもの(関連トピックス参照)。キシメラガトランは、同セッションで発表された「SPORTIF 5」(Stroke Prevention using an Oral direct Thrombin Inhibitor in atrial Fibrillation 5)試験と、昨年3月の米国心臓学会(ACC)で発表された「SPORTIF 3」試験(関連トピックス参照)で、ワルファリンカリウム代替薬としての有用性が示された。PADは2万人のボランティアが参加した「PAD」(the Public Access Defibrillation trial)試験で、心停止者の救命に役立つ可能性が示唆された。

 AHA年次集会の発表研究ではこの二つ以外に、「骨髄細胞を用いる心筋再生療法」が第5位に選定された。心筋梗塞後患者の心筋に自家骨髄を移植する手法で、プレナリーセッションでは無作為化試験の「BOOST」(BOne MarrOw Transfer to Enhance ST-elevation Infarct Regeneration)が発表されたが(関連トピックス参照)、AHAが選定対象として挙げたのは同じ日にポスター発表された別グループの研究だ。

 このほか、第4位にはアルドステロン・ブロッカーのエプレレノン(心筋梗塞後心不全への有用性がACC発表の「EPHESUS」(Eplerenone Post-AMI Heart Failure Efficacy and SUrvival Study)試験で確認、10月に米国で適応拡大、関連トピックス参照)が選定。第6位にはシロリムス溶出ステント(関連トピックス参照)が選ばれた。

 この件に関するAHAのニュース・リリースは、こちらまで。(内山郁子)

■ 関連トピックス ■
◆ 2003.12.16 米の高血圧ガイドラインJNC7、「完全版」がようやく発表
◆ 2003.11.12 AF患者への抗トロンビン薬治療に新たなエビデンスが追加、“市民AED”の有用性も示唆−−11日のLBCTより
◆ 2003.11.25 AF対象の経口抗トロンビン薬臨床試験「SPORTIF 3」、待望の原著論文がLancet誌に掲載
◆ 2003.11.11 AMI患者の予後改善に資する治療戦略が検証、新クラスの心不全治療薬の第2相試験結果も−−10日のLBCTより
◆ 2003.10.10 FDAが心筋梗塞後のうっ血性心不全にeplerenoneを承認
◆ 2003.10.3 薬剤溶出ステントの大規模試験「SIRIUS」が待望の論文化、患者背景に拠らず再狭窄を抑制

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