2003.12.16

血管新生阻害薬ベバシズマブの臨床試験、わが国でも大腸癌患者対象に来年後半から開始

 画期的な癌治療薬として世界的な注目を集める、血管新生阻害薬のベバシズマブ(米国での予定商品名:Avastin)の臨床試験が、わが国でも来年後半から始まることになった。開発元の米国Genentech社から、スイスRoche社を通し中外製薬に日本での独占的開発・販売権が付与された。

 今回、ライセンス契約が締結されたのは、ベバシズマブと、2型の上皮細胞成長因子受容体(EGFR)、HER2のシグナル伝達阻害薬であるペルツズマブ(米国での予定商品名:Omnitarg)の2剤。いずれもヒト化モノクローナル抗体タイプの分子標的薬で、前者は欧州ではRoche社、米国ではGenentech社が大腸癌を適応症として承認申請を行っており、後者は第2相試験段階にある。

 ベバシズマブは、今年6月の米国臨床癌学会(ASCO)で、転移性大腸癌に対する併用療法の有用性が発表(関連トピックス参照)、進行膵臓癌に対する第2相試験(併用療法)でも高い効果を示すなど(関連トピックス参照)、大きな期待を集める分子標的薬だ。日本では、まずは進行・再発大腸癌患者を対象とした第1相試験を来年後半から始め、海外での臨床試験結果に応じて適応拡大を考慮する。

 もう一つのペルツズマブは、HER2と他のHERファミリーとの結合を阻害することで、細胞内のシグナル伝達を阻害する。特徴は、主要細胞のHER2発現量に関係なく細胞増殖を抑制すること。HER2をターゲットとするトラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)で必須だった「HER2の過剰発現」がない癌患者にも適用できる可能性がある。日本では、非小細胞肺癌、乳癌、前立腺癌、卵巣癌を候補適応症として、来年後半から第1相試験を行う予定だ。

 この件に関する中外製薬のプレス・リリースは、こちらからダウンロードできる。(内山郁子)

■ 関連トピックス ■
◆2003.6.5 血管新生阻害薬ベバシズマブ、大腸癌に対する第3相試験では生存率を改善
◆2003.6.6 再掲】進行膵癌に対するベバシズマブ+ゲムシタビンの第2相試験で1年生存率53%、奏効率27%

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