2003.12.15

世界初のケトライド系抗菌薬テリスロマイシンが発売

 今年10月に承認された、ケトライド系に属する初めての経口抗菌薬テリスロマイシン(商品名:ケテック)が、12月15日から発売された。わが国ではアベンティス ファーマが製造、三共と藤沢薬品工業が同一商品名で販売する。薬価は1錠300mgが249.20円(関連トピックス参照)。抗菌スペクトルが広く、ペニシリン・マクロライド耐性肺炎球菌にも感受性を持つ点などが評価され、類似薬効比較方式で算定された経口抗菌薬として、初めて「有用性加算1」(画期的な新薬には及ばないものの、高い有効性や安全性を示す新薬に付与)を獲得した。

 テリスロマイシンは、マクロライドの14員環の8位をケトン基に置換、1位にアミノブチリダゾール側鎖を持つ「ケトライド系」の抗菌薬。8位にケトン基を持つためマクロライド耐性を誘導しにくく、1位の側鎖のため細菌リボソームへの結合が増強しているとの特徴がある。

 わが国における適応症は、テリスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ・カタラーリス、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、プレボテラ属、肺炎クラミジア、肺炎マイコプラズマ、レジオネラ属による、呼吸器領域、耳鼻咽喉科領域と歯科領域の感染症。

 具体的な適応疾患は、扁桃炎、咽頭炎、咽喉頭炎、急性気管支炎、慢性呼吸器疾患の二次感染、肺炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎。わが国では、市中肺炎の主要な原因菌の一つである肺炎球菌のうち、実に8割弱がマクロライド耐性、3割がペニシリン耐性とのデータがある。こうした耐性肺炎球菌に効果がある上、マイコプラズマやレジオネラへも感受性があることから、特に市中肺炎に対して広く使われることとなりそうだ。

 用法・用量は、1日1回2錠(600mg)の経口投与。代謝に食事がほとんど影響しないため、服用タイミングに対する指定はない。ただし、投与期間には限定があり、歯科領域感染症が3日間、呼吸器・耳鼻咽喉科領域が5日間。肺炎には症状により最大7日間まで投与できる。なお、小児や、中耳炎には適応がない。

 テリスロマイシンは、2001年10月のドイツを皮切りに、欧州各国とラテンアメリカの主要国で販売されており、100万人以上に対する市販後データの集積がある。米国では今年1月に米国食品医薬品局(FDA)が、追加データの提出を条件とする認可可能通知を発出。フランスAventis社は10月20日までに、約2万4000人の感染症患者を対象とする臨床試験(試験番号3014)の追加解析データと、承認国における市販後データを提出しており、来年4月まで(追加データ提出から6カ月以内)にFDAが裁定を下す予定だ。

 この件に関するニュース・リリースは、こちら(PDF形式)まで。(内山郁子)

■ 関連トピックス ■
◆ 2003.12.5 中医協、テリスロマイシンなど新医薬品の薬価収載を了承

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