2003.12.12

カゼを早く治すには、マスクを のどの痛みの持続時間が半減する

 カゼを引いたとき、病院で抗生物質を処方されることがある。しかし、カゼの原因は、その9割が抗生物質の効かないウイルスによるもの。抗生物質は、細菌による2次感染対策に過ぎない。カゼのときに抗生物質をのんでも効果がないとする研究データが、国内外でいくつも出ている。

 関西医科大学耳鼻咽喉科助教授の久保伸夫氏は、咽頭痛の症状が出てから3日以内の患者約40人を対象に臨床試験を実施。「抗生物質をのむ」「消炎鎮痛剤をのむ」「1日中マスクをする」といった対策法をランダムに組み合わせ、咽頭痛の持続時間を検討した。

 その結果、マスクをした人は、何もしない人に比べて痛みの持続時間が半減した。一方、抗生物質や消炎鎮痛剤をのんだ人は、痛みの持続時間は何もしない場合とほとんど変わらなかった。「マスクで喉を保湿しておくと、薬よりものどの痛みを早く改善する」と久保助教授は話す。

 また、12月6日号のBritish Medical Journalでは、抗生物質のペニシリンを小児の咽頭痛患者に投与しても、症状の持続時間、学校の出欠状況、咽頭痛の再発抑制に改善がみられないという研究結果を紹介している(BMJ;327,1324-1327,2003)。

 抗生物質は、病気の原因菌を殺すと同時に、腸内の善玉菌にもダメージを与える。腸内細菌のバランスが崩れ、免疫力の低下を招く“両刃の刃”だ。

 抗生物質の副作用を最小限に抑えるには、「抗生物質と同時に、乳酸菌製剤をのむといい。1回にのむ乳酸菌製剤の量は、通常量の2倍くらいが適量だと思う」と、腸内細菌に詳しい東京大学名誉教授の光岡知足氏はアドバイスする。

 なお、マスクによるカゼの改善効果は、健康雑誌「日経ヘルス」2004年1月号が詳報している。同誌は合わせて、カゼ・インフルエンザ対策のマスクを雑誌購読者の中から2000人にプレゼントする企画も実施中。マスクによるカゼの改善効果を実感してみたい人はご応募を。(小山千穂)


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