2003.12.10

【性感染症学会速報】 高校生の性感染症、8.2%が既往歴があるか罹った自覚があると回答

 ある県の公立高校生は8.2%が性感染症の既往歴があるか罹った自覚があり、感染経験者は未感染者に比べて性交パートナー数が多く、コンドーム装着率は低い。感染経験者の4人に一人がパートナー数6人以上で未感染者の約3倍――。無防備なまま性行動に走って性感染症のリスクに曝されている若者の実態について、埼玉県立大学の高田恵子氏が12月6日の一般口演「社会医学」で報告した。

 高田氏らは、2002年8月から9月にかけ、A県B学区(発表時も未公表)の公立高校(該当9校中6校)の全校生徒3056人(男子1455人、女子1601人)に対して、アンケート調査を実施、2180人(71.3%)の有効回答を得た。

 それによると、74.3%に性交経験があり、全体の8.2%が自己申告ベースではあるが、性感染症に罹っている、罹ったことがあると回答した。初交経験時期は高校1年時が45.2%と半数近くを占め、次いで中学3年時の18.1%、高校2年時の16.6%、中学2年時の8.8%の順で、小学生の時という回答も2.1%あった。

 性交経験者の半数を超える56.2%は、これまでの性交パートナー数が二人以上と回答しているが、性感染症の感染なしの群ではパートナー数を二人以上とした者が54.0%だったのに対して、感染ありの群では85.8%が二人以上と回答した。

 特に、感染なし群ではパートナー数4〜5人は10%、6人以上は8.8%であるのに対して、感染あり群では、4〜5人が23.8%、6人以上が26.2%と、4人以上が半数を占め、6人以上のパートナー数と回答した者の比率は、感染なし群の約3倍にのぼった。

 ところが、コンドーム使用頻度については、感染なし群では「いつもしている」が50.2%と半数を占めるのに対して、感染あり群では38.6%と少なく、予防行動と性感染症リスクが表裏一体であることを裏付ける結果になった。

 感染者の性行動がより活発である現状は、感染予防に重視を置いた実際的な性教育やハイリスク者に対するケアなどが急務であることは明らかだが、対策への取り組みは十分とは言えないようだ。

 同県では、県の事業として、同じ年齢層のカウンセラーが性の悩みなどを聞くピアカウンセラー養成事業が行われており、各学校での活躍が期待されているが、高田氏は養護教諭からの指摘として、学校が性教育の必要性を感じていない、生徒一人ではカウンセリングの対応ができない、2日間だけの養成で性知識が不十分、など十分な理解が得られていない現状を指摘していた。(中沢真也)

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