2003.12.10

「心不全合併者にはグリタゾン系薬の慎重投与を」、AHAとADAが共同声明

 米国心臓協会(AHA)と米国糖尿病協会(ADA)は12月8日、中等症〜重症の心不全を合併した2型糖尿病患者には、チアゾリジンジオン系薬(グリタゾン系薬)を投与すべきではないとする声明を発表した。浮腫や軽症心不全の合併例には、少量から開始するなど慎重な投与を求めている。声明文は、AHAの学術誌であるCirculation誌12月9日号に掲載され、ADAの学術誌であるDiabetes Care誌2004年1月号にも掲載予定。

 グリタゾン系薬はインスリン抵抗性改善薬として知られ、米国では現在、塩酸ピオグリタゾン(わが国での商品名:アクトス)とマレイン酸ロシグリタゾン(米国での商品名:Avandia、本邦承認申請中)の2剤が販売されている。わが国では現在、塩酸ピオグリタゾンのみが発売されているが、薬剤との関連が否定できない心不全発症の報告を受け、2000年10月に緊急安全性情報が発出。既に心不全合併者への投与は禁忌になっている。米国でも心不全合併者への投与に関し、既に添付文書の「警告」(warning)欄に記載があるが、学会が改めて注意を促した格好だ。

 声明では、上記2剤の承認根拠となった臨床試験では、対象者からNYHA心不全分類で3〜4度の心不全合併者が除外されている(効果や安全性が確かめられていない)ことを指摘。こうした中等度〜重度心不全患者に対しては、グリタゾン系薬を投与すべきではないと改めて強調した。

 さらに、複数の疫学研究などで、グリタゾン系薬の服用者では心不全合併率が増えるとの報告があることを、データを交えて紹介。現時点で正確な合併率などは不明なものの、浮腫や軽度心不全を合併した2型糖尿病患者にグリタゾン系薬を投与する場合は、少量から開始し急激な体重増加や浮腫などを注意深く観察するなど、慎重な投与を行うよう推奨している。

 この声明文のタイトルは、「Thiazolidinedione Use, Fluid Retention, and Congestive Heart Failure」。現在、全文をこちらで閲読できる(リンク先の運営次第で変更になることがあります。ご了承下さい)。塩酸ピオグリタゾンに関する厚生労働省の緊急安全性情報は、こちらまで。(内山郁子)

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