2003.12.09

【性感染症学会速報】 高3の性交体験率は約5割、2回目以降で女子の避妊率は半減−苫小牧市での調査から 

 苫小牧市の高校生は在学中に男女ともほぼ半数が性行為を体験する。初回こそ避妊率は5割を超えるが、2回目以降、「いつも避妊」は女子で25.9%と低い。にもかかわらず性知識の情報源として、「学校」という答えはわずか15%に過ぎないという。性教育は寝た子を起こすという議論が未だにあるが、こうした現状を見れば、性感染症や避妊について、中学や高校での実際的な教育の必要性は明らかだ。12月6日の一般口演「社会医学」で、苫小牧泌尿器科クリニックの林謙治氏が苫小牧STD研究会の調査結果として報告した。

 林氏らの研究報告は2000年度に引き続き、同一の調査を行った結果を示す第2報で、苫小牧市内と近郊の8高校(公立6校、私立2校)の3年生528人(男子225人、女子303人)について、2002年12月から2003年2月に無記名で封筒に入れて提出する自記式アンケートによる調査を実施した。

 性交体験率は高校3年時点で男子が51.2%、女子が48.3%とほぼ5割に達している。中学3年時点では男子が約17%、女子が約10%程度だが、高校1年時点では男女とも30%程度に急増し、高校入学を機に初交を体験するケースが多いようだ。

 初交の動機は純粋で、女子の62.6%、男子の58.2%が「愛していたから」としており、他の動機を大きく引き離している。男子の2位は「遊び・好奇心」で20.0%、3位は「ただ何となく」で17.3%、女子では2位が「ただ何となく」で23.0%、3位が「遊び・好奇心」で9.4%の順になっている。

 初交時に避妊を行っていたのは、男子では56%、女子では53%と約半数強だった。ところが2回目以降の性交では、「いつも避妊する」のは男子では37.5%、女子では25.9%と大きく減ってしまう。ただし、男子では「いつも避妊」が2000年度の20.2%から2倍近く増えた。

 一方、援助交際の経験者は高3女子の3%に達している。高3女子で援助交際を「よくないと思う」と答えたのは38.3%で、「後悔しなければよい」が22.7%、「本人の自由」が15.0%、「迷惑をかけなければよい」が10.7%と、消極的肯定派が半数近くを占めた。

 性知識の入手先としては男女とも友人や先輩が第1位を占め、男子では46.2%、女子では56.4%だった。2位は雑誌で男女とも約40%、「学校」と答えたのは、男子の14.2%、女子の16.6%と低かった。性感染症の認知度ではHIV感染症が約9割、クラミジア感染症が約7割と高いが、ほかは5割以下と低かった。

 林氏は、2回の調査で高校生の意識や性行動にはほとんど変化がなく、蔓延するクラミジア感染症を中心として、性教育やコンドーム使用による性感染症予防の啓蒙が必要だと強調した。(中沢真也)

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