2003.12.03

USPSTFが肥満スクリーニングGLを策定、外来での肥満成人スクリーニングと介入を推奨

 米国予防医療専門委員会(USPSTF)は12月1日、肥満のスクリーニングに関するガイドラインを発表した。慢性疾患などで外来を受診している成人に対し、体格指数(BMI)に基づく肥満スクリーニングを行い、肥満者には行動療法と組み合わせた生活指導などの強力な介入を行うよう推奨。一方、肥満者への軽度・中程度の介入や、過体重者への介入に関しては、十分なエビデンスが不足しているとして判断を保留した。ガイドラインの全文と、根拠となった研究の解析結果は、Annals of Internal Medicine誌12月2日号に掲載された。

 USPSTFは、米国厚生省(HHS)の下部組織、Agency for Healthcare Research and Quality(AHRQ:医療分野の研究と質向上を支援する部門)の諮問機関。生活習慣病を中心とする各種疾患について、主に外来受診者を対象としたスクリーニング検査の可否や手法に関するガイドラインを作成している。

 肥満には様々な診断基準があるが、今回策定されたガイドラインでは、医師に対し、外来受診患者のBMIを計測して肥満か否かを判断すべきであると強調。追加的な診断基準(中心性肥満か否か)として、腹部周囲径を用いてもよいとした。なお、米国では米国心肺血液研究所(NHLBI)が、BMI25〜29.9を「過体重」、BMI30以上を「肥満」と定義しており、肥満はクラス1(BMI:30〜34.9)、クラス2(同:35〜39.9)、クラス3(同:40以上)の3段階に分類している。

 肥満者に対する介入については、それが直接生命予後を改善したり、合併症を減らすという十分な根拠はないものの、中間的(intermediate)な予後、具体的には糖・脂質代謝や血圧を改善する効果があり、間接的に生命予後などを改善し得る可能性があると判断。行動療法と組み合わせた強力な(最初の3カ月は月1回以上の)介入を行えば、ある程度(modest;3〜5kg以上)の減量を1年以上維持できるとした。

 介入の中心は行動療法と食事療法、運動療法で、薬物療法や外科療法は、一部の患者に限られると指摘。使用薬物として米国で認可されているオルリスタット(米国での商品名:Xenical)やシブトラミン(同:Meridia)ではある程度(2.6〜4.8kg)の減量を2年程度は維持できるものの、長期成績は不明で副作用もあるため、他の治療法と組み合わせるとの条件でのみ使用すべきとした。消化管バイパス術などの外科療法は、相当量(28〜40kg以上)の減量が見込めるが生命に関わる合併症も生じ得るため、クラス3肥満または肥満関連疾患を一つ以上合併したクラス2肥満に適応を限定すべきとした。

 一方、肥満者への軽度〜中程度の介入や、過体重段階からの介入に関しては、現段階で判断に足るエビデンスが不足していると結論。実施の可否に対する判断を保留している。

 このガイドラインのタイトルは、「Screening for Obesity in Adults: Recommendations and Rationale」。根拠となった網羅的レビューのタイトルは、「Screening and Interventions for Obesity in Adults: Summary of the Evidence for the U.S. Preventive Services Task Force」。いずれも、Annals of Internal Medicine誌ホームページ上で有償公開されている。なお、AHRQホームページ上の「Screening for Obesity in Adults」からは、両論文を無償でダウンロードできる。(内山郁子)

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