2003.11.25

シナモンが糖尿病に効く? プラセボ対照試験で効果が実証−−パキスタン研究

 60人の2型糖尿病患者が協力し、パキスタンで行われた臨床試験で、1日1〜6gのシナモンを摂取した人では、血糖値や中性脂肪値が2〜3割、総コレステロール値が1〜2割下がることがわかった。シナモンに糖代謝などを改善する効果があることは、試験管内実験で確かめられていたが、糖尿病患者で効果が確認されたのは初めて。研究結果は、米国糖尿病協会(ADA)の学術誌であるDiabetes Care誌12月号に掲載された。

 この研究を行ったのは、パキスタン北西辺境州(NWFP)農業大学栄養学部門のAlam Khan氏ら。2型糖尿病の治療を受けている60人の患者をくじ引きで2グループに分け、粉状にしたシナモンまたは小麦粉(偽薬)を詰めたカプセルを毎日飲んでもらい、血糖値や血清脂質値の変化を調べた。

 すると、シナモン入りカプセルを1日1〜6g、40日間飲んだ人では、飲む前と比べて空腹時の血糖値が18〜29%、中性脂肪値が23〜30%、悪玉コレステロール(低比重リポ蛋白=LDLコレステロール)値が7〜27%、総コレステロール値が12〜26%下がることが判明。一方、偽薬として小麦粉入りカプセルを飲んだ人では、こうした糖・脂質代謝への影響はみられなかった。

 面白いのは、この実験ではシナモンの服用量を1日1g、3g、6gの3段階に設定しているが、服用した量と効果とには関係がなかったこと。研究グループは「もっと少ない量でも、シナモンの糖・脂質代謝改善効果が現れるかもしれない」と考えている。1日1gでも、シナモンを料理などで使おうとすれば大変な量。少ない量でも同じ効果があるなら、食事療法に併用するなどの形でうまく生活に取り入れられる可能性がある。

 ただし、実験に参加した2型糖尿病患者は、全員がインスリンの分泌を増やす薬(スルホニル尿素=SU薬)を飲んでいるにも関わらず、空腹時の血糖値が200〜300mg/dl前後の人たち。血糖値がやや高い、というレベルの人に、同じ効果があるかどうかはわからない。また、シナモンが糖尿病に良い可能性があるからといって、ニッキ飴やシナモンロールなど、砂糖をたっぷり含んだお菓子を食べたのでは逆効果になりかねない。こうした点に留意しつつ、日常の食事に、ハーブやスパイスを活用したいものだ。

 この研究のタイトルは、「Cinnamon Improves Glucose and Lipids of People With Type 2 Diabetes」。アブストラクトは、こちらまで。(内山郁子)

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