2003.11.10

急性心筋梗塞患者の左室機能評価が退院時の治療を適正化−−大規模試験VALIANTのサブスタディから明らかに

 心筋梗塞に合併する心不全や左室機能障害は、心筋梗塞後の予後を悪化させるといわれるが、急性心筋梗塞患者の入院後に左室機能評価のため心臓超音波検査、心臓カテーテル検査を実施すると、これらを実施しない場合に比べ、退院時の治療が改善することが11月9日、A.F.Hernandez氏により報告された。

 この成績は心筋梗塞を対象にレニン-アンジオテンシン系抑制薬の予後改善効果を検証する大規模臨床試験VALIANT(Valsartan in Acute Myocardial Infarction Trial)の登録症例の解析から明らかになった。VALIANTの対象は、12時間〜10日前に心筋梗塞を発症し、心不全または左室収縮機能低下を合併している患者であり、最終的に1万4500例以上が登録される予定だが、今回はそのサブスタディとして、心臓超音波検査、カテーテル検査の実施状況および退院時の治療内容について解析した成績が発表された。本サブスタディで調査対象となった症例は5573例である。

 対象症例の情報を解析した結果、以下のことが明らかになった。

 全症例5573例中、入院中に超音波検査を施行されたのは2479例(44.5%)、急性心不全を合併していた患者は1423例(25.5%)であった。急性心不全合併例における超音波検査の施行率は56.5%、心臓カテーテル検査のそれは47.7%であり、心不全非合併例におけるそれぞれの施行率は40.1%、69.1%であった。これらの検査の実施状況と退院時の薬物療法との関係を検討した結果、心臓超音波検査または心臓カテーテル検査を施行された群はどちらも施行されなかった群に比べ、既報の臨床成績により有用性が証明されているACE阻害薬、β(ベータ)遮断薬、アスピリン、スタチンの使用頻度が有意に高かった。

 Hernandez氏は以上の結果にもとづき、心筋梗塞発症後に超音波検査および心臓カテーテル検査を施行し左室機能を評価することが適切な治療薬の選択をうながし、EBM(evidence based medicine)にのっとった治療を可能にするとの見解を示した。

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