2003.11.10

【AHA2003速報】 2相式と単相式で除細動の成績に有意差なし、日本国内初の比較研究結果まとまる 

 厚生労働省は2004年にも非医師による除細動を認可する条件の一つとして、より安全性が高いとされる2相式除細動器の使用を想定していると見られる。国内では、2相式除細動器がようやく認可され、普及が始まったばかりだが、このほど国内6カ所の救急救命センターにおける多施設研究の結果、単相式と2相式の装置による除細動の救命成績の比較研究がまとまった。研究結果は11月8日に開催された蘇生医学シンポジウムのポスターセッションで、帝京大学医学部附属病院救命救急センター教授の坂本哲也氏が報告した。

 坂本氏らの研究グループは、病院外で心停止が発生した事例で、国内6カ所の救命センターに搬送された598例のうち、救命センター内で除細動を実施し得た99例を分析対象とした。99例のうち48例は単相式、51例は2相式の装置で除細動を実施した。介入試験は、単相式が2002年9月1日から同年10月31日、2相式は2002年11月1日から同年12月31日にかけて行われた。単相式除細動器は200〜360ジュール、2相式除細動器は150Jのエネルギー量で除細動を実施した。単相式と2相式で、患者の年齢や性別などのプロフィールには有意差は見られなかった。

 介入の結果、自発的な血行を再開した比率は単相式が54.2%、2相式では66.7%、24時間以上生存した比率は単相式が6.3%、2相式が13.7%、7日間以上生存した比率は、単相式が2.1%、2相式が7.8%で、いずれも有意差はなかった。症例の中で、目撃者があり、心室細動が発生していた25例についても同様の比較をしているが、こちらも有意差は見られなかった。

 2相式の除細動は、日本人においても単相式と遜色ないことが初めて明らかになった。傾向としては単相式に比べて良好と見られるだけに、非医師への除細動器の使用開放を間近に控えている現在、日本国内におけるより大規模な調査研究の実施が望まれる。(中沢真也)

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