2003.11.07

【専門記者の目】 カテキン含有量の競争が激化−−ペットボトルの茶飲料 花王のヘルシアが絶好調、サンガリアは高濃度含有品を発売

 ペットボトル入りなどの茶飲料で、茶カテキン含有量の多さを競う動きが活発になっている。

 きっかけは、2003年5月末に首都圏近辺(1都8県)のコンビニエンスストア限定で発売した、花王の茶飲料「ヘルシア緑茶」。

 2003年9月末までの4カ月余りで60億円強を売り上げたヒット商品だ。350ml入り180円という高めの価格設定にもかかわらず、大変な人気を集めている。

 全国発売の時期はまだ確定していないものの、2004年3月末までに150億円の売り上げを見込む。

 ヘルシア緑茶は、お茶に含まれるポリフェノールの主要成分である茶カテキンを、350ml入りペットボトル1本に540mg含む。

 通常の緑茶飲料に比べて、茶カテキンを3〜4倍、高濃度に含む。このため、体脂肪を燃焼させる茶カテキンの効果を、1日1本で得られる。2003年3月に「体脂肪が気になる方に適する」という特定保健用食品(トクホ)表示許可を、厚生労働省から取得している。

 このヘルシアの大ヒットにより、体脂肪を燃焼させる茶カテキンの健康効果が広く知れ渡り、茶カテキンを高濃度に含む茶飲料の製品化競争が激化してきた。

 日本コカ・コーラはすでに2003年春に、茶カテキン量を自社従来品に比べて1.2倍に増量した「まろ茶120」をリニューアル発売している。茶カテキン増量が奏功し、対前年比4割増と好調だ。500mlに300mgの茶カテキンを含む。値段は140円。

 10月27日には、日本サンガリアベバレッジカンパニー(大阪市東住吉区)が「一休茶屋 カテキン600お茶」を発売。350ml中に茶カテキン600mgを含み、ヘルシア緑茶の540mgを上回る。価格は150円。

 この商品は体脂肪に関するトクホは取得していないが、ビタミンCを定められた量だけ配合することにより、厚生労働省・保健機能食品(栄養機能食品)の表示をしており、ヘルシア緑茶を強く意識した商品といえる。

 11月3日には伊藤園が、一般的なお茶に比べて茶カテキンを1.5倍配合した「おいしくダイエットサポート」を発売した。350mlに280mgのカテキンを含み、価格は180円。エピガロカテキンガレート(EGCg)を50%含むカテキンを使用しているという。

 各社は、カテキン含有量を商品訴求の大きなポイントとみている。そこで、各社の製品が、茶カテキンもしくは茶ポリフェノール(その大半はカテキン)を、花王のヘルシアより多く含むかどうかを試算してみた(下表のカメリア・シネンシス茶飲料の茶ポリフェノールの高濃度ランキングを参照)。

 その結果、現時点では、サンガリアのカテキン600お茶が、最も高濃度に茶カテキンを含むことがわかった。

 実は、茶カテキンという成分は、緑茶の原料となる茶葉(カメリア・シネンシスという植物の葉)に特有の成分。カメリア・シネンシスと異なる植物の葉などから作った茶飲料は、茶カテキンをほとんど含まない。

 このランキングには緑茶以外に、ウーロン茶と紅茶を含む。これはともに、緑茶と同じ茶葉からつくられるため、茶カテキンをもとにした成分を含有しているためだ。

 ちなみに、茶カテキンというのは8種類ほどの物質の総称で、この中には、化学物質名としてのカテキンや、茶カテキンの中でも生理活性が高いエピガロカテキンガレート(EGCg)などの物質が含まれる。一方、茶ポリフェノールはお茶に含まれるポリフェノールの総称で、茶カテキン以外の成分も含めたもの。

 市場が急成長してきた茶飲料は最近、価格の低下傾向が顕著になっていた。ところがヘルシアがヒットしたことで、価格設定が従来より高めになってきた。カテキンを多く含むという機能性を高めたことで、高めの価格設定が可能になったといえる。

 ただし、今年秋に、茶カテキンは高濃度だと遺伝子を酸化損傷するなどの学会発表や報道が行われた。複数の専門家は、「茶飲料に含まれる程度の量では問題はないだろう」としているが、今後の動きが注目される。

 なお、高濃度ランキングの商品のうち、2位、5位と、7位の日本コカ・コーラ「まろ茶120」は、茶葉から抽出した茶カテキンの粉末を、別途加えている。

 このため、茶カテキン粉末や原料を供給している三井農林、太陽化学、ファーマフーズ研究所、伊藤園といった原材料メーカーのカテキン販売量も急増している。

表■カメリア・シネンシス茶飲料の茶ポリフェノールの高濃度ランキング(100ml当たり)
1)171mg 日本サンガリアベバレッジカンパニー「一休茶屋 カテキン600お茶」栄養機能食品(カテキン総量)
2)154mg 花王「ヘルシア緑茶」《トクホ》(茶カテキン)
3)100mg 日本サンガリアベバレッジカンパニー「一休茶屋 カテキン500お茶」栄養機能食品(カテキン総量)
4) 90mg 伊藤園「緑茶習慣」《トクホ》(茶ポリフェノール)
5) 80mg 伊藤園「おいしくダイエットサポート」(カテキン)
6) 70mg 大塚ビバレジ「ジャワティ ストレート」(ポリフェノール)
7) 60mg 日本コカ・コーラ「まろ茶120」(カテキン)
7) 60mg 伊藤園「お〜いお茶」(茶ポリフェノール)
参考)97mg サントリー「ウーロン茶」研究用(茶ポリフェノール)

*ランキングの説明
 この一覧表は、商品に表示された数値をもとに作成した。右端のカッコ内に示した表示の名称は、各社各製品によって異なる。

 各社が表示している茶カテキン量または茶ポリフェノール量は、測定対象の範囲や標準物質の設定に違いがあるため、ランキングは厳密な比較ではない。

 末尾のサントリー「ウーロン茶」の茶ポリフェノール濃度は、ウーロン茶の健康効用を調べる研究の論文で報告されているもの。実際の市販の「ウーロン茶」の茶ポリフェノール濃度に比べ、2倍程度の模様だ。サントリーは市販飲料「ウーロン茶」に、茶ポリフェノール濃度を表示していない。

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