2003.11.06

爪白癬に、ティートリーが効果あり −−日本アロマセラピー学会第6回学術総会から

 難治性の爪白癬(つめはくせん=いわゆる爪の水虫)に、アロマオイル(精油)のティートリーを塗る治療が効果のあることがわかった。

 2003年11月2〜3日、東京・品川のきゅりあん(品川区立総合区民会館)で開催された、日本アロマセラピー学会第6回学術総会で、山下内科医院(静岡県焼津市)院長の山下えり子氏と、スザカ皮膚科クリニック(長野県須坂市)院長の竹重量子氏が、相次いでその効果を発表した。

 ティートリーは抗菌活性の高い精油の一つ。カゼの初期や花粉症の症状が出たときに内服したり、ティートリーを垂らした水でうがいすると、喉(のど)や鼻の諸症状が早くとれることが一般にも知られている。また、免疫力を高める、虫刺されや傷の消毒に外用する−−といった用途で、代替療法の一つとして利用する医師が増えている。

 主に足の親指の爪が白濁して厚ぼったくなる爪白癬は、症状が少ないだけに放置されがちだが、白癬菌を原因とする水虫などの原因にもなる。爪白癬の治療法は、抗生物質を1年以上のみ続けるのが基本だ。

 山下氏は、ティートリーを希釈用のホホバオイルに10%濃度で溶かしたオイルを使用。これを片脚の患部のみに、1日2回塗布するよう患者に指導した。

 その結果、顕微鏡や培養で白癬菌を同定した3例の患者(42〜84歳の女性)で、2〜3カ月後、オイルを塗布した側の爪のみ、白濁が取れ、厚みが薄くなった。また、「オイルの保湿効果からか、皮膚がカサつかずにツルツルになると喜ばれている」(山下氏)。

 竹重氏は、外用薬の1%塩酸テルビナフィン液や1%塩酸ブテナフィン液に、5%濃度でティートリーを混ぜたものを使用した。

 5例のうち2例が、この外用薬のみで半年で軽快。別の1例は内服薬を使用していたが、「この外用薬を併用して4カ月で良くなった。内服薬をのむ期間が8カ月と、短期間で済んだ」(竹重氏)。残り1例は経過観察中、1例は脱落例だった。

「奏効例のうちの一人は肝機能が悪く、内服薬が使えなかった。こうした患者の治療にティートリーが生かせる」と竹重氏。さらに、ティートリーには抗菌活性のほか、外用薬の浸透性を上げる効果もあるのではないかとみている。

 ティートリーの使用濃度、外用薬への混入がいいのか、別途塗布した方がいいか、外用よりティートリー入りのお湯を用いた足浴がいいかなど、検討課題は多く残されている。とはいえ、ティートリーは長期間の治療が必要な爪白癬の症状を改善する一助になるのは間違いないようだ。(小山千穂)

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