2003.10.29

「慢性腎疾患は心血管疾患の最大の危険因子」、AHAが声明

 米国心臓協会(AHA)は10月28日、慢性腎疾患患者が心血管疾患の最大リスク群に属することを、改めて強調する声明を発表した。声明文では、現時点までに得られているエビデンスを提示して、腎疾患が心血管疾患の独立した危険因子であることを指摘。腎疾患の合併率が高い、高血圧患者や糖尿病患者、心血管疾患の既往者の診療では、腎疾患のスクリーニング検査を行うよう推奨している。この声明文は、AHAの学術誌であるCirculation誌10月28日号に掲載された。

 声明では、まず慢性腎疾患が世界的に増加しており、米国では約2000万人(人口の10.8%)が早期の腎疾患に罹患しているとみなせることを提示。米国の腎疾患患者数も増加しており、2010年には65万人が末期腎不全(透析導入または腎移植の対象)になるとの見積もりを明らかにした。

 次に、慢性腎疾患患者では心血管疾患の発症率が一般市民の10〜30倍になることを示した、米国腎臓財団(NKF)の報告書を紹介。現時点までに得られたエビデンスを提示した上で、NFK報告書の提言通り、慢性腎疾患患者を心血管疾患の「最大リスク群」として扱うべきであるとした。具体的には、心血管疾患のリスク評価を行う際には慢性腎疾患の有無も考慮することと、高血圧患者や糖尿病患者、心血管疾患の既往者への腎機能スクリーニング検査の実施を推奨している。

 さらに、他に心血管疾患の危険因子がある人では、腎機能の軽度低下も心血管疾患のリスクを高めるとのエビデンスを提示。ただし、心血管疾患リスクが低い人の場合は、腎機能の軽度低下が心血管疾患リスクに影響するか否かは不明としており、そうした点を解明する研究が必要だと論じている。

 この声明文のタイトルは、「AHA Scientific Statement: Kidney Disease as a Risk Factor for Development of Cardiovascular Disease」。現在、全文をこちらで閲読できる(リンク先の運営次第で変更になることがあります。ご了承下さい)。この件に関するAHAのニュース・リリースは、こちらまで。(内山郁子)

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