2003.10.21

【寄稿】 「私の夫、貸します」というビジネスが大ヒット

 村田アソシエイツ代表の村田裕之氏が配信しているスマートシニア・ビジネスレビューが届きました。今回は「私の夫、貸します」のテーマです。

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私の夫、貸します

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 「私の夫、貸します」というビジネスが大ヒットしている。

 ただし、これはモスクワでの話。ちなみに「夫を借りる」のは独身の女性ばかり。

 といっても別にやましいことをするわけではない。女性一人ではできない家周りのちょっとした力仕事を代行するサービスだ。

 「レンタル料」は1時間250ルーブル(約千円)。「レンタル」は最低2時間からで、延長料金は1時間200ルーブル、24時間対応だ。

 ロシアの平均寿命は女性72歳に対して男性は58歳と若い。さらに、離婚率が60%と高い。このため、高齢者世帯では女性の一人暮らしが多い。

 このサービスがうけている理由は「女手」だけではやりにくい、あるいはできない作業を代行してくれることだ。

 実は、このサービスと同様のものがアメリカにもある。「ミスター・ハンディマン」というサービスだ。ただし、こちらは既に全米・カナダで99のフランチャイズを展開し、アントレプレナー誌トップ・ニュー・フランチャイズの21位にランクされるそれなりの規模のビジネスだ。

 私は、このサービスを「DIY代行サービス」と呼んでいる。

 DIY(Do It Yourself) は、もともとアメリカで生まれたサービス形態だ。東急ハンズやユニディなどをはじめとした日本のDIYショップのコンセプトの源は全てアメリカにある。

 何でも安易に他人に頼らず自分でやる、いわゆる「Independence」指向の強いアメリカ文化から発生したものだ。

 しかし、高齢になるにつれ、足腰の衰えや老眼などの進展により、本来自分でできた力仕事をできなくなる人が増えている。

 したがって、求められているのは、「DIYショップ」ではなく、「DIY代行サービス」なのである。この傾向は、今後高齢化率が上がるほど強くなっていくだろう。

 注目すべきことは、このような需要は、高齢化の進む先進国共通の現象だという点だ。したがって、実は、日本でも同じような需要が顕在化しつつある。

 ロシアやアメリカのサービスはいわゆる「ハンディマン・サービス」と呼ばれる。
日本では、それに該当するのは「便利屋」という業態である。日本中どこの町でも必ず一軒はあるだろう。

 しかし、この便利屋、一部を除くと大半がビジネスとしては今一つである。その理由は、事業規模が小さく零細で、サービスエリアが限定され、価格が不透明で、品質にもばらつきが大きい。したがって、「胡散くさく」見られる場合が多い。

 ちょっとしたアルバイトとしてはよいかもしれないが、継続的なビジネスにするには、いくつかの工夫が必要だ。

 特に重要な工夫は、1)提供サービスのシステム商品化、2)エリア・マーケティングの徹底、3)ブランド創り−−である。

 最近、コミュニティ・ビジネスという言葉を耳にする。この定義にははっきりしたものがないが、その内容は地域におけるボランティア的なものから便利屋的なものを指すようだ。

 コミュニティ・ビジネスと呼ぶからには、「ビジネス」としての継続性が必要である。そのためには、きちんとした収益構造が不可欠だ。

 この点においてミスター・ハンディマンの手法はいろいろな面で参考になることが多いだろう。

*ミスター・ハンディマンについてさらに詳しくお知りになりたい方は、次の拙稿をご覧ください。

・日本実業出版社 月刊ビジネス・データ2003年4月号
シニア世帯の不便をサポートする「ミスター・ハンディマン」

・綜合ユニコム 月刊レジャー産業資料 2003年2月号
「イン・ホーム・サービス」がシニア顧客のリピーターを生み出す
http://www.sogo-unicom.co.jp/leisure/mag/0437200302.html

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