2003.10.12

【日本骨粗鬆症学会速報】 骨粗鬆症の病態に大きな男女差、男性は半数が2次性、圧倒的多数が低代謝回転型−−「RIPID-OFIS」研究より

 男性の骨粗鬆症の半数は2次性で、骨代謝回転は女性骨粗鬆症患者より明らかに低い−−。日本人を対象とした骨粗鬆症長期介入研究「RIPID-OFIS」から、男性骨粗鬆症にこんな特徴があることがわかった。成人病診療研究所の白木正孝氏は、10月10日のシンポジウム「男性ホルモンと骨」で、「RIPID-OFIS」の主な解析結果を紹介。骨代謝改善薬による治療効果を調べる介入研究を、学会主導で実施すべきと訴えた。

 「RIPID-OFIS」の参加者は、同診療所を受診した中高年男女約3500人。うち男性は325人、女性は3199人で、「低骨密度または脊椎骨折の既往」という現行の診断基準で診断すると男性の32%(104人)、女性の28%(895人)に骨粗鬆症がある。平均年齢は男性が70歳、女性が62歳。

 男女の病態に大きな差があったのは、脊椎に骨折変形がある人の骨密度。骨密度が高いのに骨折変形がある人が、男性では3割と、女性(1割)よりはるかに多いことがわかった。「骨粗鬆症の診断は、男性ではあくまでも骨密度を参考に行うべきで、男性の骨折変形は骨粗鬆症の確証とはならない」と白木氏はみる。

 また、2次性骨粗鬆症の頻度にも、男女で大きな違いがあった。他に原因疾患がある骨粗鬆症は、男性の47.1%を占め、女性(19.4%)の3倍以上になることが判明(オッズ比:3.3、95%信頼区間:2.12〜5.24)。原因疾患の男女差も大きく、女性の0.8%にみられる特発性副甲状腺機能亢進症は、男性には一人もいなかった。一方、腎不全や胃切除、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に合併した骨粗鬆症は、男性で女性より有意に多かった。

 さらに、骨代謝は骨吸収マーカー、骨形成マーカーのいずれも、男性骨粗鬆症患者で女性骨粗鬆症患者より有意に低く、男性では圧倒的に低代謝回転型の骨粗鬆症患者が多いことがわかった。骨粗鬆症男性では、血中の女性ホルモン(エストラジオール)濃度が女性よりはるかに高く(22.9pg/ml対4.5pg/ml)、「70歳くらいの男性骨粗鬆症患者では、性ホルモンがまだ十分に機能しているため、骨代謝回転が低く抑えられているのでは」と白木氏は述べた。

 以上から白木氏は、「男性と女性とでこれだけ病態が違い、男性では低代謝回転型の骨粗鬆症がほとんどであることを考えると、骨吸収を抑制するビスホスホネート製剤が男性でも効いたという海外での報告はにわかには信じがたい」と考察。わが国でも介入試験を行って確認すべきだが、男性患者がそもそも少ないうえ、2次性骨粗鬆症例を除外すると1施設で十分な患者数を登録するのは難しいため、「学会としての取り組みが必要だ」と話した。(内山郁子)

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