2003.10.09

【再掲】【機能性食品】 中性脂肪が高めの人にいいマヨネーズは花王?キユーピー? 臨床栄養学会と動脈硬化学会で、異なる研究発表

 マヨネーズは、サラダなどをおいしく食べられる調味料として若者にも人気だが、カロリーやコレステロールが気になるところ。

 そこに、「一般のマヨネーズと比較して体に脂肪がつきにくいのが特長。特に体脂肪が気になる方におすすめ」と表示したマヨネーズタイプの調味料が、近くスーパーなどの店頭に並ぶことが決まった。

 花王の「健康エコナ マヨネーズタイプ」が9月25日、特定保健用食品(トクホ)としての表示許可を厚生労働省から取得したからだ。一般のマヨネーズは原料の7割が植物油。「健康エコナ マヨネーズタイプ」は植物油として、体脂肪になりにくいジアシルグリセロール(DAG)が主成分の「健康エコナ」を配合した調味料だ。

 「健康エコナ」は昨年9月に花王が発売した人気の商品で、「他の食用油と比較し、食後の血中中性脂肪が上昇しにくく、しかも体に脂肪がつきにくいのが特徴」というトクホ表示が1998年5月に許可になった食用油。食用油として初のトクホだ。99年2月の発売以来、売れ行きは好調で、シリーズ商品全体で年間200億円規模という、トクホを代表するヒット商品になっている。

 「健康エコナ」は、グリセロールに結合している脂肪酸の数が2個であるDAGが全体の8割ほど含む油で、通常の植物油は大半が脂肪酸3個のトリアシルグリセロール(TAG)であるのと比べ異なった物性を持つ。DAGは経口摂取した後、門脈から肝臓に入ってβ酸化を受けやすい挙動を示すといわれ、体脂肪として蓄積しにくいことが花王の研究により明らかにされてきた。

 マヨネーズに7割配合する植物油として、この「健康エコナ」のみを用いた「健康エコナ マヨネーズタイプ」が今回、トクホ表示許可を取得したのは、ヒト介入試験で効果を確認して論文発表した、いわゆるエビデンスがしっかりした機能性食品だからだ。

 10月3〜5日に横浜市で開かれた日本臨床栄養学会・日本臨床栄養協会で、花王ヘルスケア第1研究所が、43人を対象とした負荷試験を二重盲検クロスオーバーで実施し、DAGマヨネーズはTAGマヨネーズ(一般のマヨネーズ)に比べ、食後の血清中性脂肪(TG)値の増加量が少なくなるという研究成果を発表した。

 また同学会では、血糖値がコントロールされている糖尿病患者6人を対象とした試験で、DAG油が同様の効果を示すことを、東京慈恵会医科大学附属柏病院総合診療部長の多田紀夫氏が発表した。

 ところが、健康効果がさらに高いマヨネーズがあると主張するのが、お茶の水女子大学教授・生活環境研究センター長の近藤和雄氏らだ。スーパーなどのマヨネーズ売り場でかなりの売り場面積を占める「ハーフ」と呼ばれるマヨネーズタイプ調味料がそれ。

 キユーピーなどが販売するハーフは、通常のマヨネーズに比べて油の配合比率が半分。油が少ないため当然、通常のマヨネーズに比べて食後の血清TG値の上昇が格段に少ない。このハーフの効用は、ヒト試験で確認されている。

 お茶の水女子大学と防衛医科大学第一内科のグループは、9月27〜28日に京都で開かれた日本動脈硬化学会でこの成果を発表するとともに、10月初めの日本臨床栄養学会では、被験者のうち空腹時TG値が120mg/dl以上と高い14人だけを解析対象とした結果を発表した。
 
 さらに、花王の研究結果とは異なる研究にも言及。近藤氏らの試験では、DAGマヨネーズは通常のマヨネーズに比べ、食後TG値(血清TG値およびカイロミクロンTG値)が逆に高まっていた。この試験結果から、「食後高脂血症の抑制には、空腹時TG値が120mg/dl以上の人においても、以前から報告されているように、摂取する脂肪酸の種類を考慮することに加え、脂肪酸のエネルギー摂取用を控えることも重要であることが示された」と近藤氏は結論している。

 オープン価格のものが多いので単純な比較は難しいが、店頭での実勢価格でみると、「ハーフ」は「健康エコナ マヨネーズタイプ」に比べ4割ほど安い。公表された研究結果からいうと、味わいが異なり、好みもあるが、体脂肪や中性脂肪が気になる人は、「ハーフ」を選ぶ方が割安といえる。

 なお、「ハーフ」や「健康エコナ マヨネーズタイプ」では、商品の「品名」あるいは「名称」の項目に「マヨネーズ」との表示はない。「半固体状ドレッシング」や「サラダ様調味料」と書かれている。これは、「マヨネーズ」と表示できる商品は、通常の植物油(TGが主成分の油)を65%以上含むものと日本では決められているからだ。「ハーフ」も「健康エコナ マヨネーズタイプ」も、この条件を満たしていない。生活者・消費者からみれば同じマヨネーズと思えるのだが。(河田孝雄)

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