2003.09.28

【日本癌学会速報】 日本癌学会が「禁煙宣言」、会員、行政機関と国民に喫煙対策を要請

 日本癌学会は9月27日に開催した総会で、「禁煙宣言」を採択した。会員や行政機関、国民に向け、10項目からなる喫煙対策を呼びかけるもの。採択後は会場内にポスターを掲示、同宣言の周知を図った。

 「禁煙宣言」を構成する10項目は、会員に対する4項目、厚生労働省や文部科学省、財務省など喫煙対策関連機関に対する5項目と、一般国民・社会に対する1項目から構成されている。会員に対しては、1.喫煙対策に資する研究の推進、2.喫煙会員への禁煙要請並びに会員所属施設の全館禁煙化推進、3.あらゆる機会を捉えて喫煙の害を説き、禁煙を呼びかける、4.日本癌学会主催会合の会場内禁煙−−の4項目を提示した。

 行政機関への呼びかけは、1.喫煙に対する健康教育、未成年者の喫煙防止対策の推進、2.禁煙希望者への支援対策推進、3.受動喫煙の防止対策推進、4.たばこ製品の広告や自動販売機への規制・警告文書の強化、5.たばこ価格の欧米先進国並みへの引き上げ、増税分の喫煙対策推進費用への充当−−の5項目。一般国民に対しては、「未成年者の喫煙防止、禁煙、非喫煙者への健康への影響を無くす」ことを求めた。

 他の医療関連団体の「禁煙宣言」と比較すると、会員に対する呼びかけで「会員の禁煙」より前に「研究の推進」を据えている点が目を引くところで、学術団体らしさを感じさせる点ではある。ただ、9月25日のパネルディスカッションで「既に国内でも研究は十分に行われている。問題は、研究の成果がタバコ・コントロールにつながっていないこと」(大阪府立成人病センター調査部・大島明氏)との指摘がなされているように、問題の本質は「研究不足」ではなく「研究成果の実行」にあることは広く認識されているところ。今回の「宣言」には、こうした認識が十分には反映されていないようだ。(内山郁子)

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