2003.09.05

加熱する紹介率向上のもう一つの危惧、「リベート連携」はあるか

 「日経ヘルスケア21」9月号に、「さらば!患者不在の連携」と題した特集記事を執筆した。いささか大上段に振りかぶったきらいがあるタイトルだが、数年前、連携に熱心だと言われる関東のある病院で、「急患で来院される場合、なるべく救急車をご利用ください」という掲示を目にしてから、いつも頭にあった問題意識だ。記事では、紹介率向上の取り組みがもたらすこうした弊害やその背景を取材し、患者本位の連携を目指す病院・診療所の工夫を紹介している。

 ところで、この記事の取材中に、もう一つの危惧が頭をかすめるようになった。それは、診療所から患者を紹介してもらった見返り病院が金銭を支払う、いわば「リベート連携」は行われていないのかということだ。同僚の記者やコンサルタントなどに何人かに尋ねてみたが、結局はっきりしたことはわからなかった。

 お客さんを紹介してもらったら、紹介料を支払うのは産業界ではごく当たり前の行為だ。医療界でも診療報酬に「診療情報提供料」が設けられてはいる。しかし、紹介先によって報酬の額は異なるものの、例えば病状による差は設けられていない。下品な言い方をすれば、「金になる患者」かどうかは反映されていないわけだ。

 急性期型の病院にとって、紹介率30%以上が要件の一つである急性期入院加算が届け出できるかどうかは、収入を大きく左右する。紹介率30%前後の病院の中から、診療所に多少のリベートを支払ってでも30%を超えたいと考えるところが出てきても不思議はない。

 厚生労働省によると、患者の紹介に関して金銭の授受を行うことを禁じた法規制はないそうだ。もし、患者の紹介数やその患者がもたらす収入に応じて病院が診療所に紹介料を払う「リベート連携」が公然と行われるようになったら、連携は活発化するのだろうか。それとも、「患者不在」以上の弊害をもたらすのだろうか――。連携をめぐり紹介料が支払われている事実を見聞された方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報下さい。(井上俊明、日経ヘルスケア21

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