2003.09.03

【再掲】 厚労省、非医師のAED使用解禁を決定、講習制度検討委員会を近く発足へ

 厚生労働省は、2004年度中をめどに、一次救命に大きな威力を発揮するとされる自動体外式除細動器(AED:Automated External Defibrillator)の使用を医師以外の非専門職にも認める方針を固めた。使用が認められるのは、1.医師などを探す努力をしても見つからないなど、医師などによる速やかな対応を得ることが困難で、2.使用者が、対象者(患者)の意識と呼吸がないことを確認している、3.使用者がAED使用に必要な講習を受けている、4.AEDが医療用具として薬事法上の承認を得ている、の各条件を満たす場合。同省は近く、講習内容などを策定する検討委員会を設置する。委員の人選や設置時期、実際の使用解禁時期などは未定という。

 AEDには、心電計などを内蔵し、操作者が除細動のタイミングなどを判断して操作する手動モードを備えた機種と、患者に除細動が必要な場合だけ、自動的に除細動を行うことができるモードだけを備えた機種がある。今年4月から救急救命士に使用が認められたのは前者のタイプも含まれるが、今回、医師以外の講習受講者に解禁されるのは、後者のタイプになる見通しだ。このような機種は、米国などでは、公衆用除細動器(PAD:Public Access Defibrillator)として、空港など公共の場所に設置されつつある。米国でPADとして採用されている機種の中で、日本で除細動器として認可されているAEDは既に複数ある。

 厚労省が非医師のAED使用解禁を明示したのは、構造改革特区案件の一つとして取り上げられたのがきっかけ。当初、同省は、「どのような場合に非医師による電気的除細動が医師法違反とならないかについて検討中の段階」として、特区での解禁も不可としていたが、内閣官房構造改革特区推進室の再検討要請を受け、操作が容易でPADとして適切なAEDに限り、2004年度をめどに特区に限らず解禁することにしたもの。

 実際にAEDが空港や駅などに設置され、非専門職による除細動を実施できる環境を整備するためには、AED設置費用の負担や、メンテナンスの責任の所在、AED使用の失敗や事故に対する免責の範囲などについても規定しておく必要がある。講習内容以外にも解決すべき課題は山積していると言えそうだ。(中沢真也)


■ 訂正 ■
 PADはAEDの使用形態の一つであり、特定の機種がPADであるような表現は適切でありませんでした。米国でPADとして採用されている機種で日本で除細動器として認可を受けている製品は既に複数あります。また、除細動器の半自動モードとは、通常、AEDの除細動動作を操作者が最終的に決定するために用いられます。手動モードと同一であるととれる記載は誤りでした。このため、お詫びして、上記のように訂正いたします。

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