2003.08.27

【癌治療の将来に関するアンケート調査】No.7 「癌治療に取組めば取組む程、とんでもなく仕事漬けになってしまう」

 MedWaveはこの6月に「癌治療の将来に関するアンケート調査」を実施した。2003年米国臨床癌学会の速報サイトの開設に合わせて行ったもので、162人の調査協力者から回答が得られた。調査では日ごろ感じている癌治療全般に対する自由意見も募ったが、その中には、医療現場の悩みや課題が多く語られている。以下にシリーズで紹介する。

・膵臓ガンは根治手術が可能でも5年生存率は最悪です。早期診断が可能になり術後の肝転移を防止する効果的な方策が早く開発されることを期待しています。

・有害反応の少ない治療法の開発が大事だ。

・皮膚ガン(特にメラノーマ)は目に見えるせいか、安易に切除されるケースが多いようだ。組織検査の結果を見てからあわてて紹介されてくる場合や、転移をおこしてから専門医を受診するケースが多い。まずは、皮膚表面の目で見える病気は皮膚科専門医を受診して欲しい。

・地方の小病院では、癌の症例、特に化学療法の実施例は多くないため、新しいプロトコールを試す際の不安がいつもあります。いくらエビデンスがあるといっても使い慣れた量の薬しか使えないのが実際です。

・臓器、癌種によって治療の個別性が強い。ブロックごとにセンター病院をおき専門職を集中させるべきと考える。今までの延長線上に将来の治療法が生まれてくるはずがないので、癌治療学会が判断基準や指定病院を決めるのは無理がある。

・人は皆死ぬことを忘れている。いかに年をとり滑走路に着陸するように死ねるか、患者のサイドに立った医療がパラダイム変換ともいえる発想の転換が必要ではないか。

・治療を行うには、患者および家族の明確な意思の確認が欠かせない。そのためには、より詳細な説明が求められる。

・告知を前提にしなければ、全人的治療は望めないし、在宅で看取ることは難しい。
告知の問題も含み欧米と比較してわが国での本人の意思があまりにも無視されているように思える。今後,告知をするのであれば,患者の一生を引き受ける気持ちが医師側,看護側にほしい。その上での告知ならびにともに過ごす時間の貴重さを患者と分かり合えるのではないか。

・糖に高齢者に対して徹底した根治的治療を行うことに疑問があります。QOLを考え、延命を計る方策がベストと思われます。

・抗ガン剤の費用が高過ぎる。

・癌治療全般へのより強力な国家レベルでの財政的サポートが必要である。特に患者教育・臨床試験・地域での治療ネットワーク作りに対して。

・癌治療に限ったことではないが、治療や医療はできる限り患者に我慢を強いることのない方法を考え、実践すべきだ。だれも望んでまで苦痛を味わいたくない。これまでのがん治療で患者の我慢を求めるものが多過ぎた。

・癌緩和の領域は、軽視されがちで問題があると考えます。癌治療学会でも緩和のセッシ5は、癌治療を行っている医師の多くは興味を持っていないと思います。人間は必ず死ぬわけであり、現時点で日本人の死因の第1位は癌であることを考えれば、当然癌緩和医療が非常に重要なものであることは明白であるにも関わらず、軽視されていることは非常に残念です。

・患者の精神的苦痛を取り除くことを目的としたところ、自らがその負担を分担してしまっていることに気付く。小規模の病医院で、ありうることかもしれません。

・欧米と日本との精神的な基盤の違い(宗教も含む)を含めた上での議論がもっと必要。あまりにも欧米の考えを是とする意見が多いように感じる。

・パラメディカルに比べても医師が忙し過ぎる。パラメディカルが暇だとは思いませんが、医師の忙しさはやはり他の業種と比べて異常だ。まじめに癌治療に取組めば取組む程、とんでもなく仕事漬けになってしまうこの状況を他業種の人達は理解しているのでしょうか。

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