2003.08.27

【国際糖尿病学会速報】 超持続型インスリンの投与、朝でも就寝前でも効果は同等

 超持続型インスリンのインスリングラルギンを、朝に投与しても、就寝前に投与しても、夜間低血糖の出現頻度は変わらないことが示された。第16回国際糖尿病学会で、ドイツのEberhard Standl氏(Institute of Diabetes Research、写真)が発表した。

 グラルギンは、わが国では承認申請中の新しいインスリン製剤。1日1回の投与で24時間一定の血中インスリン濃度が保て、健常人の基礎インスリン分泌パターンに近い作用が期待できるのが特徴だ。従来の中間型(NPH)インスリンに比べて、低血糖発作の発現や体重増加の低減効果が既に立証されている。

 Standl氏らは、経口薬ではコントロール不良な2型糖尿病患者624人を対象に、経口薬のグリメピリド(アマリール)2〜4mgを併用し、グラルギンを毎朝一回(6〜9時)投与する群(朝群)と、就寝前一回(21〜23時)投与する群(眠前群)の2群に無作為に割り付け、28週間追跡し、夜間低血糖の発現頻度を調べた(両群間の患者背景に有意差無し)。インスリン投与量は、空腹時血糖値が100mg/dlになるように調整した。

 その結果、低血糖の発現頻度は、朝群で43.1%、眠前群で38.4%と有意差は無く(p=0.24)、低血糖の重症度別(重度の低血糖発作や発作の徴候がみられるなど)に分析しても、発現頻度に有意差は無かった。夜間低血糖発作の発現も、朝群で13.0%だったのに対し、眠前群で14.9%と有意差は無かった。

 試験期間中のHbA1cの変化について調べた結果、朝群で1.65%、眠前群では1.57%低下し、両群間ともに同様の改善効果を示した。実際に使用したインスリン量は両群間で差は無く、体重増加についても有意差は無かった。

 以上の結果から、Standl氏は、「グラルギンを投与するタイミングは、個々の患者によって柔軟に変更できることが分かった。非常にシンプルな投与法であり、インスリンを新規に導入する際も、患者に受け入れられやすい方法だろう」とまとめた。
(井田恭子、日経メディカル

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