2003.08.18

プール後の洗眼は目に悪影響、習慣的行為に意外な盲点

 今夏、咽頭結膜炎(プール熱)が猛威をふるっているが、その予防のために洗眼を習慣的に行ってはいないだろうか。

 細川眼科クリニック(東京都渋谷区)の細川可奈氏は、「水道水で目を洗う行為は、予防につながるどころか、かえって目に悪影響を与える。以前はプール内の塩素濃度が高いため、目に付着した塩素を洗い流す目的で洗眼を行っていたと考えられるが、水道水は涙液とは浸透圧が異なるため、角膜上皮障害を起こしやすい」と警鐘を鳴らす。

 さらに、目の疾患を予防するため、市販の洗眼液を使用する人もみられるが、洗眼液中の防腐剤(塩化ベンザルコニウムなど)や界面活性剤が涙液層を保持するムチン層を洗い流してしまうため、ドライアイを進行させてしまう危険性がある(渡邉潔:洗眼液の角膜上皮に及ぼす影響、眼紀2000;51:32-36)。

 それでは、どのように対処したらよいのだろうか。細川氏によると、「水泳中はゴーグルを着用し、目を水に触れないようにすること。ゴーグルを着用せず、プールから出た後、何時間も目の違和感が続く場合は、涙液と同じ濃度の点眼薬を使用するのがよい」としている。まばたきによって涙腺から涙が分泌されるため、時間がたてば違和感は軽減する。点眼薬は、防腐剤を含まないものを選ぶことが重要である。

 最近では、学校のプールやスイミングスクールでも、眼を洗う設備は設けず、ゴーグルの着用を義務づけるケースが増えている。(中西奈美、日経メディカル

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 「説明を尽くしたのに敗訴」のなぜ 特集◎医療訴訟の落とし穴《動向編》 FBシェア数:467
  2. 日野原先生からいただいた二つの“謎”の言葉 佐藤綾子氏(ハリウッド大学院大学客員教授)に聞く FBシェア数:2
  3. 看護師がI.C.に同席し患者の理解をサポート 特集◎医療訴訟の落とし穴《対応編3》 FBシェア数:14
  4. 主訴「ちんちん痒い」 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:170
  5. 三環系抗うつ薬:うつ以外への処方も広がる NMO処方サーベイ FBシェア数:2
  6. 全身脱力の26歳男性の診断は? 徳田闘魂道場にようこそ〜国家試験と臨床との架け橋〜 FBシェア数:3
  7. 非専門領域の新薬、いつから使う? シリーズ◎岩岡秀明の糖尿病よろず相談所【藤沼康樹編】 FBシェア数:4
  8. 説明同意文書に死亡リスクを具体的に記載 特集◎医療訴訟の落とし穴《対応編2》 FBシェア数:62
  9. 裁判所が求めるインフォームド・コンセントとは 特集◎医療訴訟の落とし穴《インタビュー》 FBシェア数:144
  10. 主治医は言い訳をせずに真実をしっかり伝えよ 特集◎医療訴訟の落とし穴《対応編1》 FBシェア数:146