2003.07.10

ILCORが心停止から蘇生後の低体温療法を推奨

 国際蘇生法連絡委員会(ILCOR)は、心室細動(VF)による心停止から蘇生後、意識が戻らない成人に対し、低体温療法を行うよう推奨する勧告を行った。昨年New England Journal of Medicine(NEJM)誌に発表された二つの無作為化試験で、低体温療法群の神経学的予後が優れるとの結果が出たことを受けたもの。勧告文は、Circulation誌7月8日号と、Resuscitation誌6月号に掲載された。

 ILCORは、CPRなど心肺蘇生に関する施術について、世界的な標準を策定する組織。心停止から蘇生後の低体温療法に対しては、2000年に発表したガイドライン「Guidelines 2000 for Cardiopulmonary Resuscitation and Emergency Cardiovascular Care」で、十分なエビデンスがないとして判断を保留していた。

 今回の勧告では、欧州(NEJM;346,549,2002)とオーストラリア(NEJM;346,557,2002)から、低体温療法の有用性を示す無作為化試験結果が報告されたことを紹介。これらの試験結果に基づき、院外でVFによる心停止を起こしたが、自発循環を回復し、無意識状態が続いている成人患者に対しては、深部体温を12〜24時間、32〜34度に保つ低体温療法を行うよう推奨した。

 さらに、VF以外の不整脈による心停止についても、低体温療法が有用である可能性があると勧告した。低体温を保つ手法については、様々な方法があるものの、どの手法が優れるかは現時点では判断できないとしている。

 この勧告のタイトルは、「Therapeutic Hypothermia After Cardiac Arrest: An Advisory Statement by the Advanced Life Support Task Force of the International Liaison Committee on Resuscitation」。現在、こちらで全文を閲読できる(リンク先の運営次第で変更になることがあります。ご了承下さい)。(内山郁子)

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