2003.07.10

【耳鼻咽喉科臨床学会速報】 睡眠時無呼吸症候群の高周波手術法、従来手法に比べ術後の痛みが大幅減 

 睡眠時無呼吸症候群の大半は、鼻閉や肥満、口蓋垂や喉頭蓋の落ち込みなどによって上気道の狭窄を起こす閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)だとされている。手術によるOSASの治療法として、高周波によって組織を切断・解離する「コブレーション手術」注)と呼ばれる方式が最近、注目を集めている。既存の手術法である口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)や扁桃摘出と比較したところ、OSASに対する治療効果があり、しかも術後疼痛は有意に少ないことが明らかになった。浜松医科大学医学部耳鼻咽喉科の名倉三津佳氏が7月4日のポスターセッション「睡眠障害1」で報告した。

 名倉氏らは、コブレーション法とUPPPを実施した各10人のOSAS患者に対して、痛みの程度を患者自身が10cmの線上(0cm=無痛、10cm=激痛)に印をつけるVAS(visual analogue scale score)法を用いて評価した。その結果、UPPPでは術後1日目の痛みがVAS(0〜100)値で平均70程度、他家の研究では扁桃摘出が平均65程度だったのに対し、コブレーション法では平均40程度と有意に低かった。また、UPPPでは術後7日目で平均40程度とようやく手術当日に対して有意に痛みが減ったのに対して、コブレーション法では、術後2日目には手術当日に対して有意に痛みが小さくなり、術後7日目には平均10を切ってほとんど痛みがない状態になった。

 一方、コブレーション、UPPP、経鼻持続陽圧呼吸療法(nCPAP)の各治療群の患者について、治療前後のOSASの重症度をAHI(1時間当たりの無呼吸/低呼吸回数:OSASの重症度を示す指数の1つ)で比較したところ、いずれも治療後に有意な改善が見られた。名倉氏は「コブレーションは治療時の傷みが軽く、QOLを考慮したOSAS患者の治療方法として、有力な選択肢になり得る」としている。(中沢真也)


注)
 コブレーションは、軟口蓋や口蓋垂に電極を刺入し、高周波のエネルギーを利用して、低温(40〜70度)を保ったまま、内部組織の切除や解離を行う治療法。軟部組織を薄く、硬くし、気道の確保を容易にする。名称のコブレーション(coblation)は、治療装置の開発メーカーである米ArthroCare社の造語で、cool + ablation(低温を保持した除去)を意味する。

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