2003.07.08

脳血管性痴呆への「アリセプト」適応拡大、FDA承認を獲得できず

 エーザイは7月4日、米国食品医薬品局(FDA)から、コリンエステラーゼ阻害剤の塩酸ドネペジル(商品名:アリセプト)について、脳血管性痴呆への効能追加を承認しないとの通知を受け取ったことを明らかにした。約1200人の脳血管性痴呆患者を対象にした二つのプラセボ対照試験結果に基づき、昨年9月に効能追加申請を行っていたもので、承認されれば世界初の脳血管性痴呆治療薬となるところだった。同社では今後、効能追加に向け引き続きFDAとの協議を行う予定だ。

 塩酸ドネペジルは既に軽度〜中等度のアルツハイマー病治療薬として発売されているが、脳血管性痴呆患者に対しても、一定の効果を示す臨床試験結果が報告され、承認動向が注目されていた。臨床試験はプラセボ、実薬5mg、実薬10mgの3群間比較で、24週後の認知機能(アルツハイマー病認知機能評価スケール=ADAS-Cogと、ミニ・メンタル・ステート検査=MMSEで評価)に有意な改善または改善傾向が認められている。

 FDAによる審査期限は7月3日だったが、5月に予定されていたFDA中枢神経系薬諮問委員会による討議は行われず、「今回の“承認困難”との通知は、諮問委員会を経ずに行われた」(エーザイ広報部)という。申請が却下されたわけではなく、試験結果や試験期間、評価指標、あるいは前例のない適応症など、どの点が判断上のネックになったかは不明だというが、エーザイは追加データの要求などが行われたかどうかは明らかにしていない。

 同社は欧州でも塩酸ドネペジルの脳血管性痴呆への適応拡大申請を行っており、日本では臨床試験を準備中。この件に関するエーザイのニュース・リリースは、こちらまで。(内山郁子)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 医学書を安く買う方法・高く売る方法 Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:24
  2. 78歳女性。主訴:激しい胸痛 総合内科BASICドリル FBシェア数:173
  3. 医療者の「献身的な労働」に甘えていませんか? 裴 英洙の「今のままでいいんですか?」 FBシェア数:146
  4. ケアマネがショックを受けた医師からの一言 医師が知らない介護の話 FBシェア数:399
  5. ガイドラインではエコー、現場では… 画像診断大国の若手医師へ FBシェア数:160
  6. 終末期にどこまで抗菌薬を使用すべきか シリーズ◎在宅医療における感染対策(4) FBシェア数:606
  7. 「これ以上は無益」と言えない気持ちも伝えよう 国立病院機構東京医療センター倫理サポートチームの尾藤誠司氏に聞く FBシェア数:285
  8. いまの医師の好みはベンツよりハイブリッド車 医師1000人に聞きました FBシェア数:207
  9. 認知症700万人時代、数少ない収入アップの道 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:23
  10. 医師達はいかにして検察を騙してきたか 池田正行の「氾濫する思考停止のワナ」 FBシェア数:1