2003.07.08

帝人が仏Ipsen社とライセンス契約、高尿酸血症治療薬「TMX-67」を導出、仏社の4品目を日本で開発

 帝人とフランスIpsen社は7月7日、Ipsen社が開発中(一部販売中)の4品目を帝人が導入、帝人が開発した新規痛風・高尿酸血症治療薬「TMX-67」(開発コード)をIpsen社が導入するライセンス契約を締結したと発表した。日本におけるIpsen社、欧州における帝人の事業基盤の確立支援を目したもので、将来は各品目の販売権を返還することで合意している。

 帝人が導出する「TMX-67」は、尿酸産生に関わるキサンチン酸化酵素の阻害薬。国内では帝人が第3相試験を実施中、米国ではTAP Pharmaceuticals社(米国Abbott Laboratories社と武田薬品工業との共同出資会社)が同じく第3相試験を進めており、Ipsen社への導出で日米欧3局での臨床開発を並行して進めることとなる。

内分泌系4品目は激戦区に

 帝人が導入する4品目はすべて内分泌系薬で、1.グルカゴン様ペプチド1(グルカゴン分泌抑制因子、GLP1)のアナログ製剤(誘導体)「BIM51077」(開発コード、以下同)、2.ソマトスタチン2型受容体(SSTR2)選択的ソマトスタチン・アナログ製剤「BIM23190」、3.副甲状腺ホルモン(PTH1-34)アナログ製剤「BIM44058」、4.徐放性ソマトスタチン・アナログ製剤(欧州での商品名:Somatulin)−−の四つ。「BIM51077」は日本で両社が共同開発・販売、他の三つは帝人が日本での独占開発・販売を行う。

 期待される適応症は、GLP1アナログの「BIM51077」が2型糖尿病、SSTR2選択的ソマトスタチン・アナログの「BIM23190」が糖尿病性網膜症、PTH1-34アナログの「BIM44058」が重症骨粗鬆症、徐放性ソマトスタチン・アナログの「Somatulin」が末端肥大症。いずれも競争の激しい分野だが、「国内外で開発中の同系統の競合化合物に優る有用性を有することが期待される」という。

 欧州での開発段階は、「BIM51077」と「BIM23190」が第1相、「BIM44058」が前臨床。ちなみに、GLP1アナログはデンマークNovo Nordisk社も2型糖尿病治療薬として開発を進めており(一般名:リラグルチド、開発コード:NN2211)、現在欧州で第2相段階。わが国でも第一サントリーファーマと中外製薬が経鼻投与型製剤(開発コード:CS-872)を共同開発しており、第1相準備中だ。

 PTH1-34製剤も、組換え製剤テリパラタイドが欧米で承認、日本では第1相準備中の段階。経鼻投与型製剤は日本で第1相が終了している(関連トピックス参照)。糖尿病性網膜症治療薬としてのソマトスタチン・アナログの臨床開発でも、スイスNovartis Pharma社が酢酸オクトレオチド(わが国での商品名:サンドスタチン)の適応拡大試験を進めており、既に欧米で第3相入りしている。先行する競合化合物が多い中、今後の開発競争に注目が集まりそうだ。

 なお、「Somatulin」は鳥居薬品がIpsen社から1999年1月に導入、日本での臨床開発を計画していたが、2000年に中止している。作用機序は異なるが、Pharmacia社(現:Pfizer社)が開発した成長ホルモン受容体拮抗薬のペグビソマント(欧米で承認、日本で申請中)が強力なライバルとなる可能性がある。

 この件に関する帝人のニュース・リリースは、こちらまで。(内山郁子)

■ 関連トピックス ■
◆ 2003.6.25 組換え副甲状腺ホルモン注射薬が米国に続き欧州でも承認

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