2003.07.04

「喫煙者はβカロテン入りサプリメントを飲むべきではない」、USPSTFが勧告

 米国予防医療専門委員会(USPSTF)は6月30日、ビタミンA、C、Eや葉酸などによる癌・心血管疾患予防効果には、十分なエビデンスがないとする勧告を発表した。うち、体内でビタミンAに変化するβカロテンについては、喫煙者など特定のグループの人に癌を誘発する恐れがなどがあり、害が利益を上回ると判断。βカロテン単剤、あるいはβカロテンを含むビタミン剤は、癌や心血管疾患の予防目的では摂取すべきでないとした。この勧告と、根拠となった臨床研究の解析結果の一部は、Annals of Interenal Medicine誌7月1日号に掲載された。

 USPSTFは、米国厚生省(HHS)の下部組織、Agency for Healthcare Research and Quality(AHRQ:医療分野の研究と質向上を支援する部門)の諮問機関。生活習慣病を中心とする各種疾患に関し、予防・早期発見との観点から診療ガイドラインの策定を行っている。

 今回は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、複数の抗酸化ビタミンの併用とマルチビタミン剤のそれぞれについて、癌や心血管疾患の予防効果をみた臨床試験を網羅的に抽出。メタ分析を行ったところ、βカロテン以外のビタミンでは、害と利益のバランスを判断するだけのエビデンスに欠けるとの結論になった。

 βカロテンに関しては、心血管疾患や肺癌、前立腺癌、大腸癌、乳癌、皮膚癌を予防する効果がない上、ヘビースモーカーでは肺癌のリスクを増やすとのエビデンスが得られていることを指摘。癌や心血管疾患の予防を目的とした摂取は行うべきでないと結論付けた。

 さらに、患者からアドバイスを求められた場合は、ビタミン剤が果物や野菜などの食事から摂るビタミンの代わりにはならないことを指導するよう推奨。特にビタミンAとDは、過量摂取が有害になる場合があるので、ビタミン剤を飲む場合は用量を守るよう指導すべきとしている。

 この勧告のタイトルは、「Routine Vitamin Supplementation To Prevent Cancer and Cardiovascular Disease: Recommendations and Rationale」。現在、こちらで全文を閲読できる。心血管疾患の予防に関する網羅的レビュー、「Routine Vitamin Supplementation To Prevent Cardiovascular Disease: A Summary of the Evidence for the U.S. Preventive Services Task Force」は、こちらまで。(リンク先の運営次第で変更になることがあります。ご了承下さい)。

 なお、AHRQホームページ上の、「Counseling: Vitamin Supplementation to Prevent Cancer and Cardiovascular Disease」からも、勧告や癌予防に関する網羅的レビューなどの関連情報を入手できる。(内山郁子)

■ 参考トピックス ■
◆ 2003.6.18 抗酸化ビタミンに心血管疾患の予防効果なし、大規模介入試験のメタ分析で判明

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