2003.07.01

【SARS速報】 バムサが一般向けSARS電話相談の概要を発表

 NPO法人のバイオメディカルサイエンス研究会(BMSA:バムサ)は、厚生労働省などの依頼を受け、4月1日から6月末まで重症急性呼吸器症候群(SARS)の一般向け電話相談を実施した。SARSに関する全国的な問い合わせ窓口としては、厚生労働省が自治体や関連団体からの相談を受け付けたほか、国立感染研が主として医療機関から、バムサが一般からの相談を受け付けるという分担制をとった。バムサが担当した一般向け電話相談の概要について、専務理事の小松俊彦氏に聞いた。

●相談件数の傾向は

 3カ月間で受け付けた相談件数は1167件、ピーク時には1日の相談件数が50件近くあった。新聞や放送、週刊誌などでSARS関連のニュースが大きく取り上げられると相談が急増し、台湾人医師来日の事件が沈静化してメディアに取り上げられる機会が減った6月には相談件数は激減した。

●相談内容の主なものは

 海外へ旅行する時の防御法や、逆に感染地域からの来客がある場合の対応など、渡航関連が最も多く、相談全体の3分の1から半分近くを占めた。次いで、マスクの選び方、食品など感染地域からの輸入物品の安全性、消毒の実施方法、ペット関連、感染地域の最新情報などに関する質問が多かった。

●相談者の知識レベルは

 全体として、経口感染や接触感染、飛沫感染などの違いに関する知識が行き渡っておらず、特に30代前後の女性に公衆衛生知識が不十分な傾向が見られた。日本は清潔さを甘受しているところがある。家庭や学校での教育の再検討が必要だ。逆に、なにもかも怖いと考える潔癖症の人からの相談も多く、電車などで咳をしている人が座ったところに座って大丈夫か、だれかがくしゃみをした後を通ってしまったがSARSに感染しないだろうか、などという相談も少なくなかった。

●相談窓口設置の意義はあったか

 なかには横柄な口調で電話をかけてくる人もいたが、丁重な対応をするように心掛けたこともあって、電話を切るときにはほとんどが大変感謝してくれた。当初の厚労省の依頼は1カ月間だったが、自主的に3カ月間続けることにしたのも、こうした感謝に支えられたからだ。一般市民のSARSに対する恐怖を軽減でき、精神的ケアの役割を十分果たせたと考えている。

●再び流行した時に相談窓口を再開する予定は

 現在のところ未定だ。当面、今回の相談内容をもとにSARSのQ&A集を作成し、当会のホームページへの掲載を検討している。

 バムサは国立感染症研究所のウイルス分野の研究者OBが中心になって立ち上げたNPOで、企業・医療機関向けのバイオセキュリティー講習などを手掛けている。(中沢真也)

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