2003.07.01

「地中海食」は長寿の元、ギリシャのコホート追跡研究が示唆

 野菜や果物、魚をたくさん食べ、肉や乳製品は少なめ。オリーブオイルをたっぷり使い、そして食事と共にワインを−−。そんな地中海地方の伝統的な食習慣を守っている人は、長生きする傾向があることが、ギリシャの前向き研究から明らかになった。欧米ではこの「地中海食」が健康に良いとして人気メニューの一つとなっているが、大規模な前向き研究で死亡率の違いが確かめられたのは初めて。研究結果は、New England Journal of Medicine(NEJM)誌6月26日号に掲載された。

 この研究は、癌や慢性疾患と食生活の関係を調べる欧州10カ国の大規模共同コホート研究「European Prospective Investigation into Cancer」(EPIC)の一環として行われたもの。ギリシャに住む20〜86歳の男女2万2043人に、食習慣などに関する詳しいアンケートに答えてもらい、中央値で3年8カ月追跡して食習慣が死亡率に与える影響を評価した。

 対象者の4割は55歳以上で女性が6割、体格指数(BMI)の中央値は男性が28.1、女性が28.8とやや太めで、3割が喫煙者だった。食習慣が伝統的な地中海食にどれだけ近いかを「地中海食スコア」で10段階(0〜9点)で評価すると、非地中海食群(0〜3点、6848人)、中間群(4〜5点、9488人)、地中海食群(6〜9点、5707人)の順に男性比率や若年者比率が増えたが、BMIや喫煙者比率は変わらなかった。

 追跡期間中に275人が死亡したが、性別や年齢、BMI、身体活動性などで補正すると、地中海食スコアが高い人ほど死亡リスクが低いことが判明。地中海食スコアが2ポイント高くなると、死亡リスクは4分の1低くなると算定された。死因別にみると、心筋梗塞など冠動脈疾患による死亡リスクは33%、癌による死亡リスクは24%、それぞれ低くなる計算になった。

 面白いのは、野菜や魚、肉、オリーブオイル、アルコールなど、地中海食を特徴付ける個別の食品の摂取状況は、死亡リスクと明確な関係がみられなかったことだ。これらを組み合わせてスコア化した場合のみに死亡リスクとの相関が現れた点から、研究グループは「個々の食品にではなく、“地中海食”という食品の組み合わせパターンに、死亡を抑制する作用があるのでは」と考察している。

 この論文のタイトルは、「Adherence to a Mediterranean Diet and Survival in a Greek Population」。アブストラクトは、こちらまで。(内山郁子)

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