2003.06.25

組換え副甲状腺ホルモン注射薬が米国に続き欧州でも承認

 日本イーライリリーは6月24日、同社の親会社である米国Eli Lilly社が開発を進めてきた組換え副甲状腺ホルモン製剤(rhPTH1-34)が、6月16日に欧州での販売認可を獲得したと発表した。初の骨形成作用を持つ骨粗鬆症治療薬として大きな注目を集めた同剤だが、同じ第3相試験が承認根拠となったにも関わらず、昨年11月に承認された米国とは適応症や投与期間の縛りが異なるなど、欧米で当局側の見解の相違も浮き彫りになった。

 今回承認されたテリパラタイド(米国での商品名:Forteo、欧州での商品名:Forsteo)は、骨形成作用を持つヒト副甲状腺ホルモンを遺伝子組換え技術で生産したもの。米国と欧州における承認根拠となった第3相試験は、女性1637人、男性437人の総計2074人を対象としたものだ(女性:NEJM;344,1434,2001、男性:J Bone Miner Res.;18,9,2003)。この試験では、カルシウムとビタミンD製剤の併用下で、テリパラタイドとプラセボとを比較した。

 対象女性は閉経後骨粗鬆症、対象男性は原発性または性腺機能低下症に合併した骨粗鬆症で、追跡期間は女性が平均19カ月、男性が10カ月だった。男女とも、プラセボ群より脊椎や腰椎の骨密度が有意に増加。閉経後女性では椎骨・非椎骨の骨折も有意に減少することが確かめられた(男性で骨折の評価は行われていない)。

 このデータに基づき、米国では「骨折リスクが高い閉経後女性の骨粗鬆症」と「男性の原発性または性腺機能低下症に合併した骨粗鬆症」が適応症として承認。一方の欧州では、閉経後女性の骨粗鬆症治療薬としての承認となった。なお、欧米どちらも、テリパラタイドの使用は骨折の既往があるなど重症の骨粗鬆症で、既存の治療薬が無効または使用できない場合との条件が付いている。

 もう一つの大きな相違点は、継続して投与できる期間に対する見解の相違。テリパラタイドはラットを用いた動物実験で、骨肉種の発生が確認されているが、ヒトの臨床試験では1例も認められていない。この点を鑑み、米国では連続使用できる最長期間を24カ月と規定。一方の欧州では、最大18カ月までの投与を認可している。

 承認用量は欧米ともに1日20μgで、1日1回大腿部または腹部に皮下注射する。わが国での臨床開発は、閉経後女性の骨粗鬆症を対象疾患として日本イーライリリーが実施する予定で、現在準備を進めている段階だ。なお、経鼻投与型のrhPTH1-34製剤(開発コード:CHS13340)は、第一サントリーファーマと中外製薬が共同開発を行っており、わが国で第1相試験が終了している。(内山郁子)

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