2003.06.13

内閣府、高齢社会白書を公表、高齢化率は18.5%に

 内閣府は6月10日、2003年度版高齢社会白書を公表した。白書は2部構成で、第1部は、2002年度の高齢化の現状と高齢者対策の実施状況、第2部では2003年度に実施予定の高齢社会対策と関連予算について報告している。少子化、高齢化に加え、総人口が減り始める中で、前年に引き続き、高齢者の社会参加を促す対策に力点を置いているのが特徴だ。

 第1部の2002年度の高齢化状況では、少子・高齢化の一段の進展について紹介している。2002年10月1日現在、65歳以上の高齢者人口は2363万人で、総人口に占める比率は18.5%、今回初めて75歳以上の後期高齢者の人口が1004万人と、1000万人を上回った。今後、総人口の減少と相まって高齢化率は上昇を続け、2050年には35.7%に達すると推計している。地域格差は大きく、2000年現在、最も高齢化率が高い島根県で24.8%、最低の埼玉県では12.8%となっている。2025年には、最も高齢化率が高いのは秋田県で33.8%、最も低い沖縄県でも23.3%になると見込まれている。

 世帯構成では、高齢者だけの世帯、特に高齢単身者世帯が増えている。1995年から2000年までの5年間に高齢者人口に占める単身生活者の比率は、女性単身者が16.2%から17.9%に、男性単身者が6.1%から8.0%に増えた。

 高齢者の健康・福祉では、65歳以上の高齢者の有訴者率(人口1000人当たり病気やけがなどで自覚症状がある者の数、入院者を除く)などについて述べている。有訴者率は502.7、日常生活に影響のある者の比率は人口1000人当たり235.0(入院者除く)となっている(いずれも2001年)。介護保険制度における要介護者と要支援者のうち、65歳以上は2001年度末で287万7000人、2001年10月の高齢者人口に対する比率は12.6%となっている。

 高齢社会対策の実施状況については、「就業・所得、健康・福祉、学習・社会参加、生活環境、調査研究推進など広範な施策で着実に進展している」としている。2002年度の高齢社会対策関連予算の総額は11兆7488億円で、うち就業・所得関連の5兆6387億円、健康・福祉関連の5兆9264億円が大部分を占める。

 第2部では、2003年度の施策と予算を紹介している。主な新規施策としては、
・就業・所得関連では、65歳までの継続雇用制度の促進や年金制度改正の具体化など。
・健康・福祉関連では、高齢者医療制度改革の議論や、高齢者向けトレーニング事業に対する補助など。
・学習・社会参加関連では、高齢者との交流を織り込んだ新学習指導要領の実施や改正NPO法によるボランティア活動の環境整備など。
・生活環境関連では、高齢者歩行者の安全を確保する交通施策、道路緑化、無電柱化の促進など。
・調査研究関連では、テーラーメイド医療や再生医療、ゲノム創薬などの実現を目指すプロジェクト推進、などを挙げており、高度医療の研究に注力する一方で、元気で学習意欲があり、就労やボランティア活動を通して社会参加する高齢者像を目標として掲げている。

 2003年度版高齢社会白書の全文はこちらまで。(中沢真也)

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