2003.06.11

SSRIのフルボキサミンが社会不安障害に適応拡大申請

 明治製菓とソルベイ製薬は6月9日、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)のマレイン酸フルボキサミン(わが国での商品名/販売元:デプロメール/明治製菓、ルボックス/藤沢薬品工業)について、5月29日に社会不安障害(社会恐怖、SAD)の効能追加申請を行ったと発表した。日本で行った第3相試験結果に基づく申請。わが国にはSADを適応症とする薬剤はなく、申請は同薬が初めてだ。

 SADはいわゆる「対人恐怖症」の一種で、人と会う、会議で意見を言う、あるいは人前で食事をするなど、他人の前で行動することに強い不安を抱き、日常生活に支障が生じる状態。日本の患者数や生涯罹患率などは不明だが、米国の「National Comorbidity Survey」に基づく推計では生涯罹患率が13%と不安障害の中では最も多く(Arch Gen Psychiatry;51,8,1994)、半数がうつ病・うつ状態を合併するとされる。

 SSRIは「新世代の抗うつ薬」として知られるが、強迫性障害(強迫神経症、OCD)や各種の不安障害にも効果がある。比較的副作用が少なく、かつ“1剤でうつと不安の両方に効く”点が評価され、欧米ではうつ病だけでなく不安障害に対しても第一選択薬としてよく処方される薬剤だ。わが国ではうつ病・うつ状態のほか、マレイン酸フルボキサミンがOCD、塩酸パロキセチン(同:パキシル)がパニック障害への効能を持つ。

 塩酸パロキセチンもSADへの適応拡大を目指しており、現在、SAD、全般性不安障害(GAD)と(心的)外傷後ストレス障害(PTSD)患者を対象に第3相試験、OCD患者を対象に第2相試験をわが国で実施中。このほか、塩酸セルトラリン(海外での商品名:Zoloft、Altruline)も日本で承認申請を行っているが、申請した適応症であるうつ病・うつ状態とパニック障害に対する第3相試験も続行中で、現時点ではSADの効能獲得予定はない。

 この件に関する明治製菓のプレス・リリースは、こちらまで。(内山郁子)

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