2003.05.12

【日本内分泌学会速報】 結合型エストロゲン投与後の血中E2濃度、BMIと相関

 昨年7月に米国で、結合型エストロゲン・プロゲスチン合剤を用いたホルモン補充療法(HRT)の臨床試験が早期中断され話題を呼んだが、徳島大学産科婦人科の安井敏之氏らの検討で、連日投与によるHRTを受けた人の血中エストラジオール(E2)濃度が体格指数(BMI)に比例して上昇することがわかった。安井氏らは「連日投与でHRTを行う場合は患者のBMIを考慮すべき」と提言している。研究結果は、5月10日の一般口演「生殖2」で報告された。

 昨年中断された米国の臨床試験は、HRTや食事療法などで、心血管疾患や乳癌などの予防効果をみる「WHI」(Women's Health Initiative)試験の一部(関連トピックス参照)。結合型エストロゲン・プロゲスチン合剤を連日服用した人では、平均5.2年の追跡期間で、浸潤性乳癌や冠動脈疾患、脳卒中などが有意に多いことが判明した。

 安井氏らは、「WHI」試験参加者の平均BMIが28.5で、参加者の7割がBMI25以上と、肥満・肥満気味の人が多く含まれていたことに着目。BMIがHRT施行時のE2濃度に影響を与えるかどうかを、日本人女性を対象に調べた。対象は、自然閉経後女性が86人、両側卵巣摘出後女性が51人。前者の平均年齢は54歳、BMIは23で、後者の平均年齢は49歳、BMIは22。両者とも、ほぼ半数が結合型エストロゲンとプロゲスチンの連日投与、半数が隔日投与を受けた。

 その結果、連日投与を受けた人では、閉経の種類に関わらず、BMIと1年後の血中E2濃度が正の相関を示すことが判明。一方、隔日投与を受けた人では、BMIと1年後の血中E2濃度(服薬12〜18時間後に測定)との間に特に相関は認められなかった。なお、投与前後でBMIは変化せず、投与前のBMIとE2濃度(内因性E2濃度)とにも、特に相関がみられなかったという。

 今回得られた結果は、連日投与法でHRTを行うと、BMIが高い人では血中E2濃度が高くなるというもの。それが「WHI」試験での副作用につながった可能性もある。ただし、検討した日本人女性の平均年齢は「WHI」試験参加者(平均63歳)より若く、年齢や内因性E2濃度など他の要因が影響を与えている可能性もある。安井氏は、BMIが外因性E2濃度に影響する機序についても、今後検討を進めたいと話した。(内山郁子)

■ 関連トピックス ■
◆ 2002.7.11 NHLBIが臨床試験「WHI」を早期中断、ホルモン補充療法に乳癌、心血管疾患の予防効果なし

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