2003.05.06

FDAが肺癌の新治療薬を承認、化学療法に無反応な患者が対象

 米国食品医薬品局(FDA)は5月5日、進行性非小細胞肺癌の新しい治療薬、gefitinib (商品名:Iressa)を承認した。従来の白金化合物とドセタキセルによる化学療法に反応しない患者を対象としたもの。FDAによると、gefitinibは癌細胞の成長を促す一端を担う、数種類のチロシンキナーゼを遮断する働きがあるという。それらのチロシンキナーゼの中には、表皮細胞成長因子受容体(EGFR)に関連するものも含まれている。

 治験では、非小細胞肺癌の患者216人に対してgefitinibを投与したところ、腫瘍の縮小が50%以上みられ、それが1カ月以上持続した患者は、約10%だったという。治療に対する反応の持続期間の中央値は、7カ月だった。中には、より著しい改善があった患者もいたという。男女別では、女性の反応率は約17%、男性は約5%だった。
なお、2つの大規模無作為化試験では、非小細胞肺癌患者に対する最初の治療法として、白金化合物をベースに行う化学療法とgefitinibの併用を試みたが、化学療法のみと比べ、治療の有効性はみられなかったという。

 一方、gefitinibの有害作用として、重篤な間質性肺疾患が報告されている。FDAによると、その割合は日本のデータでは約2%、米国では約0.3%で、その約3分の1が死に到っている。FDAは、gefitinibの進行性非小細胞肺癌の治療に対する有益性は、この有害作用を上回るとの判断を下している。

 Iressaの製造元は、AstraZeneca社(デラウエア州Wilmington)。詳しくは、FDAによるニュース・リリースまで。(當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 検査キットに振り回されるインフルエンザ診断 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:315
  2. DNAR指示は「治療不要」という意味ではない 日本集中治療医学会倫理委員会委員長の丸藤哲氏に聞く FBシェア数:1041
  3. 認知症ではないと診断した患者が事故を起こしたら医… プライマリケア医のための認知症診療講座 FBシェア数:134
  4. 卒後10年、初の転勤で病院院長に着任しました 中山祐次郎の「切って縫うニュース」 FBシェア数:414
  5. インフルエンザ脳症が58例に、6人死亡 インフルエンザ診療Next:トピックス FBシェア数:274
  6. 死ぬレベルの疑義照会 vs 帰りたい患者 原崎大作の「今日の薬局業務日誌」 FBシェア数:249
  7. なんで医師が投資をしちゃいけないの? Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:63
  8. 病院が介護施設へ転換…でも「肩書は院長です」 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:53
  9. 経口鉄剤:7割以上がフェロミアを支持 NMO処方サーベイ FBシェア数:1
  10. 高齢患者を救うDr.SUPERMAN リポート◎隠れた機能障害や生活上の問題点を拾い出す FBシェア数:44