2003.05.06

【日本小児科学会速報】 【再掲】エコーウイルス13型による無菌性髄膜炎で、国内初の流行が報告

 エコーウイルス13型(E13)による無菌性髄膜炎は、2002年に全国で1200人以上の患者が報告される大きな流行が発生している。従来は世界的にもまれな型だったが、2000〜2001年に欧州、豪州、米国などで数10例の無菌性髄膜炎患者が発生した後、2001年秋に福島県で国内初の流行があった。この時の臨床的状況について、福島県相馬市の公立相馬総合病院小児科の大西周子氏らが4月26日、日本小児科学会学術集会のポスターセッションで報告した。

 2001年9〜12月に相馬総合病院小児科を発熱、頭痛、嘔吐などを訴えて来院した50人中、38人の髄液、咽頭ぬぐい液、肛門ぬぐい液のいずれかからE13が検出された。髄液採取は無菌性髄膜炎が疑われた36人に実施され、26人が無菌性髄膜炎と診断された。この26人中E13ウイルスが検出されたのは22人(84.6%)であり、その全例に頭痛と37.5度以上の発熱、1例を除き吐気、嘔吐が見られた。22例は全員入院加療が行われた。

 感染が確認された38人のうち髄膜炎(細胞数10/μl以上)を発症したのは57.9%に当たる22人であり、他の最終診断名は髄膜症(細胞数10/μl未満)、扁桃炎、咽頭炎、胃腸炎、ウイルス性発疹症などとされた。

 E13型ウイルスによる無菌性髄膜炎の臨床的特徴は、エコーウイルスの各血清型やコクサッキーB群など、他のエンテロウイルスによる同症と同様だったという。分離されたE13は欧米で分離された株との類似度が98〜99%だった。ただし、「渡航者の有無など疫学的な流行の経緯は確認されなかった」(大西氏)と言う。(中沢真也)

■ 修正 ■
 冒頭に、「エコーウイルス13型(E13)による無菌性髄膜炎は、2002年に全国で1200人以上の患者が報告される大きな流行が発生している」を加筆しました。

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 医師・医学生の不祥事報道を目にする度に… 東謙二の「“虎”の病院経営日記」 FBシェア数:53
  2. 70歳女性。咽頭痛 日経メディクイズ●救急 FBシェア数:1
  3. 意外と多いナースの更衣室の悩み 小林光恵の「ほのぼのティータイム」 FBシェア数:22
  4. 「102歳Asystole」に思うこと 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:287
  5. 医師免許を失う以外はたいしたリスクじゃない 鈴木裕介の「キャリア迷子」に捧げる処方箋 FBシェア数:0
  6. 子どもにとってトイレやうんちは諸刃の剣 田中由佳里の「ハラワタの診かた」 FBシェア数:90
  7. 麻疹集団感染、医療機関の受診者からも陽性者 パンデミックに挑む:トピックス FBシェア数:244
  8. 地域医療連携推進法人の運用ガイドライン決まる 制度の内容がほぼ確定、4月2日にも第1号認可か FBシェア数:8
  9. 昨年11月時点の7対1病床、半年間で6105床減 シリーズ◎2018診療・介護報酬同時改定 FBシェア数:8
  10. インフルエンザ脳症が58例に、6人死亡 インフルエンザ診療Next:トピックス FBシェア数:385