2003.04.18

【日本感染症学会速報】 レジオネラ感染症の「予期せぬ危険」を指摘−−会長講演より

 4月17日から福岡市で開催されている日本感染症学会総会で、17日午後、今期総会会長で琉球大学大学院医学研究科感染病態制御学講座(第一内科)教授の齋藤厚氏(写真)は「レジオネラ感染症−予期せぬ展開の軌跡」と題した会長講演を行い、レジオネラ感染症発見の歴史から、近年相次いでいる日本のレジオネラ症集団感染の問題などを幅広く論じた。

 レジオネラ症の感染は国際的には建物の冷暖房に用いられる冷却塔が感染源となっていることが少なくないが、日本では1995年頃から、家庭に普及した24時間循環式浴槽による感染者が多発した。これは、風呂水中の汚れである有機物を微生物で分解して浄化する生物浄化方式を採用したものだが、塩素消毒が不十分な状態でレジオネラ菌などが増殖し、ジェットバスなどにおける流水の飛沫などから人体に入って感染する。このため、自宅出産をこの循環式浴槽で行った新生児がレジオネラ菌感染で死亡するといった痛ましい事故も発生したという。

 その後、家庭での利用は陰をひそめたが、全国の温泉施設や医療・介護施設などに設置されるようになり、日本特有の予期せぬ感染が多発したという。

 齊藤氏は、医療施設でも沐浴浴槽やシャワーヘッドなどにレジオネラ菌が局在することや、オーストラリアから輸入される園芸用腐葉土など、「予期せぬ」感染が発生しうることを指摘、今後の十分な対策や医療関係者の注意喚起を呼びかけていた。

 齋藤氏は1980年に日本初のレジオネラ症例を扱った同分野の第一人者で、豊富な臨床例と調査に基づく充実した会長講演だった。(中沢真也)


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◆市中肺炎診療の実態調査2003

 MedWaveは今年も「市中肺炎診療の実態調査」を実施致します。本調査は、医療現場の第一線で活躍されている先生方に、外来で遭遇する肺炎(市中肺炎)の診療方針や考え方、抗菌薬の処方経験、市中肺炎診療に関する情報ニーズなどをお伺いし、市中肺炎診療の実態を明らかにすることを目的としております。調査結果は後日、MedWave等で紹介する予定です。ご多忙のところ恐縮ですが、何卒ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
◇アンケート画面は以下です。
http://webres.nikkeibp.co.jp/user/MW203122.html
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