2003.04.11

ハウスダストでアトピーが出る男性、前立腺癌のリスクが3倍に

 オーストラリア南西部沿岸の町Busseltonで行なわれている健康全般に関する長期コホート研究「the Busselton Health Study」のサブセットとして、アレルギー疾患やアトピーと個別の癌発症の関連を調査したところ、ハウスダストに対するアレルギー反応がある男性は、前立腺癌の相対リスクが2.90倍、花粉症の男性はメラノーマの相対リスクが2.39倍と、それぞれ有意に高いことが分かった。研究結果は、American Journal of Epidemiology誌4月号に掲載された。

 オーストラリアのWestern Australia大学公衆衛生学部のAlison Talbot-Smith氏らの研究グループは、Busselton Health Studyのうち、1981年に追跡開始した癌病歴のないコホート3308人(男性1522人、女性1786人)について1999年まで追跡し、特定の癌発症と、アトピー、およびアレルギー疾患の関連性を調査した。ただし、アトピーに関する調査は皮膚刺激テストを受けた1005人(男性463人、女性542人)について実施された。

 その結果は複雑で、癌によって相対リスクが上がる場合と低下する場合があることが分かった。ハウスダストに対してアトピー反応がある男性は、前立腺癌の発症リスクが2.90倍と有意に高かった。ほかに、アトピー全体で2.49倍、ぜんそくで1.89倍と有意に高かった。また、男性で花粉症歴がある場合、メラノーマ発症の相対リスクが2.39倍と有意に高かった。女性では有意差はなかった。このほか、ぜんそくと花粉症がある場合、大腸癌については発症リスクが低い傾向が、また白血病については高い傾向が見られたが、いずれも有意差はなかった。

 著者らによれば、アレルギー性疾患とがん発症リスクについての研究は数多いが、アトピーまで含めた前向きコホート研究は二つしかなく、いずれも研究デザインが十分でないという。

 この論文のタイトルは、「Allergy, Atopy, and Cancer: A Prospective Study of the 1981 Busselton Cohort」。アブストラクトはこちらまで。(中沢真也)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 認知症ではないと診断した患者が事故を起こしたら医… プライマリケア医のための認知症診療講座 FBシェア数:393
  2. 免許更新の認知症診断に医療機関は対応できるか リポート◎3・12道交法改正で対象者は年間5万人 FBシェア数:94
  3. 言葉の遅れに「様子を見ましょう」では不十分 泣かせない小児診療ABC FBシェア数:121
  4. 院長の「腹心」看護師の厳しすぎる指導で退職者続出 院長を悩ます職員トラブル大研究 FBシェア数:4
  5. 「在宅患者への24時間対応」はやっぱり無理? 日医、かかりつけ医機能と在宅医療についての診療所調査結果を公表 FBシェア数:45
  6. 医療過失の95%を回避する術、教えます 記者の眼 FBシェア数:93
  7. 検査キットに振り回されるインフルエンザ診断 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:574
  8. 58歳男性。口唇の皮疹 日経メディクイズ●皮膚 FBシェア数:0
  9. 「認知症の診断=絶望」としないために インタビュー◎これまでの生活を続けられるような自立支援を FBシェア数:59
  10. 「名門」を出てもその先は自分次第 木川英の「救急クリニック24時」 FBシェア数:176