2003.04.08

【SARS速報】 患者数2601人うち死者98人に、診断キットに限界

 世界保健機関(WHO)は4月8日、重症急性呼吸器症候群(SARS)の患者数が2601人、うち死者が98人になったと発表した。また、開発された3種類の診断キットは使用可能だが、感染後すぐには検出できないなど、それぞれに限界があるという。WHOはまた、これまでに感染が報告されている主要国の現状について、これまでの状況をまとめている。

 WHOの共同研究チームが開発した診断キットは、当初の期待よりも問題があり、そのためにSARSの迅速なコントロールが難しくなっているという。ELISAと呼ばれるキットは、臨床症状が出てから約20日後以降でないとSARS抗体を検出できない。また免疫蛍光検査法(IFA)検定によるキットは、感染10日後から検出できるものの、ウイルスの培養を要し、結果が出るまでに時間がかかってしまう。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分子テストは、早期検出が可能だが、疑陰性が多い。

 主要国の現状については、中国では、4月5日と6日に、それぞれ21人の新たな患者と二人の死亡が報告された。

 香港では、大規模な感染が報告された九龍地区のマンション「アモイガーデン」で、糞便を介した感染可能性などについて調査を進めている。

 ベトナムの首都ハノイのフランス病院で2月26日から始まったSARSの流行は、3月24日以降10日間に渡り患者数が安定した。だが4月3日、他の病院でSARSの患者一人が見つかったほか、過去2日間にも新たに3人の患者が報告された。

 カナダ厚生省は、SARSが疑われる患者を含め、これまでに217人の報告があるとしている。そのうち90人が、SARS患者としてWHOに報告されている。その全てが、アジアに旅行をした人か、患者の家族や医療従事者だという。

 これまでにWHOに報告された各国のSARS患者数の詳細は以下の通り。なお、米国の患者数は、米国疾病対策センター(CDC)による最新情報では、6日現在で148人となっている。

 中国:死亡を含む患者数1268(死亡者53、以下同)
 香港:883(23)
 米国:141(0)
 シンガポール:106(6)
 ベトナム:62(4)
 カナダ:90(9)
 台湾:21(0)
 タイ:7(2)
 ドイツ:5(0)
 英国:5(0)
 イタリア:3(0)
 フランス:3(0)
 マレーシア:1(1)
 スイス:1(0)
 ルーマニア:1(0)
 アイルランド1(0)
 オーストラリア:1(0)
 ブラジル:1(0)
 スペイン:1(0)

 詳しくは、WHOのDisease Outbreak Reportedへ。(當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

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