2003.03.30

【日本循環器学会速報】 重症狭心症への自家骨髄細胞移植、関西医科大学で2例目が実施

 関西医科大学で今年2月、重症狭心症患者に対する2例目の自家骨髄単核細胞移植が行われたことがわかった。1例目は開胸術下に行われたが(関連トピックス参照)、今回はカテーテルを使った低侵襲の細胞移植。移植後は狭心症状が大きく改善し、患者は週内にも退院できる見込みだという。この症例は、関西医科大学第二内科講師の神畠宏氏らが、3月30日の一般口演「Angiogenesis 2」で報告した。

 患者は59歳の女性。CCSクラス3の狭心症があり、糖尿病、閉塞性動脈硬化症(ASO)、高血圧などを合併していた。安静時にも症状がある上、左室駆出率(EF)が45%と低く、既存の治療法では対処が難しかったため、今年2月5日に自家骨髄単核細胞の移植に踏み切った。

 神畠氏らは、電気−機能的マッピング(NOGAマッピング)で壁運動が低下している部位を同定。マッピング用のカテーテルの先端に付けた27ゲージの注射針を20カ所に刺し、1カ所あたり2億個の濃縮自家骨髄単核細胞を注入した。

 その結果、心筋シンチグラフィーなどで評価した心筋の壁運動は著明に改善。狭心症状も大幅に軽快し、今週中にも退院できる運びとなったという。

 重症の狭心症患者は、既にバイパス手術(CABG)などで開胸術を受けているケースが大半。「再開胸は難しいことが多いため、開胸が不要なカテーテル術で細胞移植が成功した意義は大きい」と神畠氏は話す。今後は倉敷中央病院や日本医科大学などと共同で、カテーテルを使った心筋への細胞移植について臨床研究を進めることを考えており、「現状で有効な治療手段がない重度狭心症患者さんを、ぜひ紹介してほしい」と神畠氏は会場に呼びかけた。

■ 関連トピックス ■
◆ 2002.4.25 臨床応用が始まった骨髄幹細胞の自家移植による血管新生療法


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