2003.03.29

【日本循環器学会速報】 ABPに「休日効果」、土日の日中血圧が平日より低値に

 24時間に渡り血圧を30分〜1時間おきに測定する自由行動下血圧(ABP)測定は、高血圧患者の心疾患リスクを判定する上で重要な意味を持つが、測定した血圧値や日中・夜間の血圧変動には曜日による違いが生じることがわかった。中高年高血圧患者82人のABPを1週間測定したところ、休日には日中の収縮期血圧のみが平日より有意に低下。その分、心疾患リスクが高いとされる「ノンディッパー」(夜間に血圧が下がらない人)の比率が増える傾向が認められたという。研究結果は、東京女子医科大学第二内科の村上省吾氏、同大学神経循環器内科教授の大塚邦明氏らが、3月29日のポスターセッションで発表した。

 ABPは通例1〜2日間に渡り測定されるが、村上氏らは、こうした短期間の測定ではストレスや身体活動度などの影響を十分に評価できない可能性があると考察。中高年の高血圧患者82人に協力してもらい、木曜の深夜から翌週の木曜まで、1週間連続でABPを測定して血圧の週内変動などを調べた。測定間隔は日中(午前7時から午後10時)が30分おき、夜間(午後10時から翌午前7時)が1時間おき。対象患者の平均年齢は約60歳、男女比はほぼ半々で、3分の1が公務員、3分の1は農業従事者だった。

 その結果、ABP装置の装着初日の24時間血圧は142.0/85.8mmHgで、2日目の139.6/84.2mmHgより有意に高く、既に報告されているように「初日効果」があることが判明。さらに、金曜(装着2日目)、土曜、日曜、月曜の4日間で比較すると、日中(覚醒時)の収縮期血圧のみが土日で平日より有意に低くなり、休日には覚醒時の収縮期血圧が下がる「休日効果」があることがわかった。夜間に収縮期血圧が十分低下しない「ノンディッパー」比率も、土日で増加する傾向が認められた。

 次に村上氏らは、血圧や心拍数について、初日の木曜を除いた金曜から翌水曜までの週内変動を調べた。すると、血圧と心拍数のいずれにも、土曜、日曜に低下した後月曜に急上昇して金曜の水準に戻るという「月曜上昇(monday surge)」が認められることがわかった。こうした「休日効果」や「月曜上昇」は、公務員(勤務者)でより強く現れたが、農業従事者(自営業者)でも有意な差を持ってこれらの効果が現れたという。

 村上氏は、「心筋梗塞や突然死、脳卒中は月曜日に多いとの報告があるが、そうした疾患発症率の週内変動にはこの“月曜上昇”が寄与しているのではないか」と考察。興味深いことに水曜日にも再度、休日並みに血圧や心拍数が下がったが、村上氏はこれについて「生体にはよく知られている24時間リズムのほか、3.5日周期のリズムがあると報告されており、こうした“体内時計”が反映された結果だと思う」と述べた。

 なお、「休日効果」そのものに対しては、村上氏らは主に身体活動性の変化が反映されたと考えている。被験者には詳細な調査票に回答してもらっており、今後、身体活動度などの週内変動との関連についても分析を進める予定だ。

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