2003.03.26

【再掲】【SARS速報】 航空機内で感染の疑い、香港当局が搭乗者の調査を開始

 香港の衛生当局は3月25日、香港−北京間を飛行した往復便の機内で重症急性呼吸器症候群(SARS)の感染者が発生した疑いがあるとして、同じ機内に乗り合わせた旅行者に対し、SARS対応ホットライン(電話)で健康相談を受けるように呼びかけを始めた。

 呼びかけの対象になっているのは、3月15日に香港から北京に向かった中国国際航空(CA)112便と、3月19日に北京から香港に向かった中国国際航空115便。きっかけは、この両便に搭乗したツアー客から9人ものSARS感染者が発生したためだ。

 ツアーは香港の旅行代理店が企画したもので、35人が参加した。そのうち、44歳同士のカップルが3月18日に北京で発症、22日に香港の病院に収容された。報告を受けた当局がツアー参加者を確認したところ、ほかに27〜51歳の男女7人がSARSと確認された。

 最初に発症した二人は、北京行きの機内で近くの席にいた73歳の男性から感染した疑いが持たれている。この男性は3月初めに香港のプリンスオブウエールズ病院に弟を見舞った後、体調を崩していたという。

 世界保健機関(WHO)は、「これまでの状況では」という制限つきで、「航空機内で感染者と居合わせた場合に感染が起こるというエビデンスはない」「いかなる地域への渡航も制限の必要はない」と繰り返してきたが、今回の香港当局の発表は、その前提を覆すものと言える。

 これまで各国の感染報告は、病院スタッフと見舞い客、同居家族などに限られてきたが、交通機関を含む市中での感染例が発見されたことで、制御不能な感染の拡大が懸念される事態になってきた。研究チームによって病原体の特定や治療法の開発が進められているが、WHOや各国の保健当局にとっては、感染の封じ込めをより強力に推し進めることが急務になったと言ってよいだろう。

 香港衛生当局の発表はこちらまで。

■ 訂正 ■
 「中華航空(CA)」は誤りで、正しくは「中国国際航空(CA)」でした。お詫びして訂正いたします。

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