2003.03.24

糖尿病もCOPDの危険因子か、Framingham研究が示唆

 Framingham研究の参加者調査で、糖尿病の罹患者では肺機能が低く、しかも喫煙者ではこの相関が非喫煙者よりも強いことがわかった。喫煙による肺傷害を糖尿病が増強する可能性を示唆するデータで、喫煙が最大の危険因子である慢性閉塞性肺疾患(COPD)についても、「糖尿病を新たな危険因子と考えるべき」と研究グループは提言している。研究結果は、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(AJRCCM)誌3月15日号に掲載された。

 この研究を行ったのは、米国Boston大学呼吸器センターのRobert E. Walter氏ら。研究には、米国の代表的なコホート研究であるFramingham Heart Study参加者の、子供とその配偶者を追跡した「Framingham子孫(Offspring)コホート」のデータを用いた。

 子孫コホートの対象者は5124人(第一次コホートの子供:3544人、子供の配偶者:1580人)。1991〜1994年に行われた第5次調査で空腹時血糖検査と呼吸機能検査を受け、喫煙状況や糖尿病(空腹時血糖が126mg/dl以上、または糖尿病で加療中)の有無がわかっている3254人を解析対象とした。

 調査時点で280人が糖尿病を発症していたが、糖尿病の罹患者では、非罹患者(2974人)より男性比率が高く、高齢で、体重が重く、呼吸機能が有意に悪かった。喫煙状況(喫煙歴なし、禁煙中、喫煙中)に有意な差はなかったが、禁煙中、喫煙中の人では、現在までの喫煙指数(1日当たりの喫煙箱数と喫煙年数を乗じたもの)が糖尿病罹患者で有意に高かった。

 Walter氏らは、喫煙歴のない1100人を基準に、年齢や性別などで補正して肺機能の基準値(予測値)を算定。その基準と比較すると、糖尿病患者では肺機能が有意に低くなった。さらに、血糖値と肺機能とも負の相関があり、この相関は現喫煙者で最も強いことが明らかになった。

 糖尿病患者で肺機能が低い傾向があることは既に報告されているが、喫煙がその関連を強めるとのデータが得られたのは初めて。喫煙に肺機能を損なう作用があることはよく知られているが、今回得られたデータは、「糖尿病がその作用を強めると考えれば説明が付く」と研究グループは考察。COPDに対する介入を行う際には、糖尿病、あるいは高血糖状態も、COPDの危険因子として捉えるべきだと提唱している。

 この論文のタイトルは、「Association between Glycemic State and Lung Function」。アブストラクトは、こちらまで。

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