2003.03.23

【SARS速報】 香港大学チーム、病原ウイルスの分離培養に成功と発表

 世界保健機関(WHO)によると、香港大学医学部微生物学部門の研究チームは3月22日、重症急性呼吸器症候群(SARS)の病原ウイルスの分離・培養に成功したと発表した。併せて、信頼度の高い診断テスト開発にも大きな前進があったという。

 香港大の研究チームは、中国広東省から香港を訪れた初期感染者に接触した後に肺炎を発症した一人の患者(死亡)の肺組織からウイルスを分離した。さらに、抗体中和法に基づく基礎的な検査法を確立した。患者の血液中の抗体を検出する正確度を確かめる実験を行ったところ、8人のSARS患者の血清から安定して抗体を検出できたという。

 信頼度の高い迅速診断テストが利用できるようになれば、SARSの感染初期と見分けがつきにくい一般的な疾患で患者を収容しなくても済むようになると、WHOは期待している。

 一方、病原体の特定については、香港の別の研究チームとドイツの研究チームがほぼ同時にパラミクソウイルス科の一種ではないかとする研究発表を行い、21日にはカナダの研究チームが、同科に属するメタニューモウイルスが原因ウイルスではないかとする研究結果を公表している。

 しかしWHOは、全く別のウイルスであるという可能性も捨てきれないとして、SARSの病原体究明が完了したわけではないと、注意を喚起している。

 詳しくはWHOのDisease Outbreak Reported
へ。

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