2003.03.20

【SARS速報】  香港で「真の」発端患者発見、ホテルが2次感染源に

 香港の保健当局の発表や現地の報道などによると、これまで同地で重症急性呼吸器症候群(SARS)の発端患者と思われていた男性が、九龍地区のホテル「The Metropole Hotel(京華国際酒店)」で2月中に宿泊した別の男性から感染していたことを確認したという。さらに同じフロアに宿泊していたカナダ人、シンガポール人を含む6人が、この男性から感染したという。まさにこのホテルが、世界各国に飛び火したSARS感染のキーポイントだったことになる。

 報道発表と同発表に基づく報道によると、香港健康局(Department of Health)局長のMargaret Chan氏は、7人のうち3人がシンガポール、2人がカナダ、一人が中国広東省広州からの旅行者、一人が現地住民だったという。この7人は2月12日から3月2日にかけて、同ホテルの9階に宿泊、2月15日から27日にかけて肺炎の症状が現れた。

 一方、プリンスオブウェールズ病院における感染の発端患者とされてきた人は2月15日から23日にかけて、このホテルに宿泊していた友人を訪れていた。このうち2月21日から宿泊していた広東省からの旅行者は、ホテルに宿泊する1週間前から具合が悪くなっており、22日にKwong Wah Hospitalに入院、3月4日に同病院で死亡した。この人物が真の発端患者であることは確実とみられるという。

 香港保健当局は市民や観光客に動揺が広がるのを抑えようとやっきになっている。「同ホテルは衛生状態も良好、スタッフに感染者発生の報告はない」(Chan氏)としながら、同ホテルに感染発生フロアの徹底的な清掃と消毒を要請した。

 SARSの感染には、病院での看護・介護や家族内のような密接な接触、あるいは咳などの飛沫や体液への接触が条件とされてきた。しかし、この7人の宿泊者の接触は今のところ、例えはエレベータホールなどに居合わせたといった状況しか考えられないようだ。従来の世界保健機関(WHO)などの説明よりも短時間の接触で感染が起こる可能性が示唆される。

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