2003.03.20

【SARS速報】 感染者総数264人うち死者9人、米国で11人の患者が確認

 世界保健機関(WHO)は3月19日、重症急性呼吸器症候群(SARS)の感染患者について、総数が264人、うち死者が9人になったことを報告した。中でも、新たに米国で11人の患者が確認されたほか、スペインでも一人患者が見つかっている。WHOによるとまた、ドイツと香港の研究チームでそれぞれ、SARSの患者からパラミクソウイルスが検出されたとしている。

 これまでに確認された各国のSARS患者数と死亡者数は以下の通り。

 香港:死亡を含む患者数150(死亡者5、以下同)
 ベトナム:56(2)
 シンガポール:31(0)
 米国:11(0)
 カナダ:8(2)
 台湾:3(0)
 ドイツ:1(0)
 スロべニア:1(0)
 スペイン:1(0)
 タイ:1(0)
 英国:1(0)

 WHOは報告した患者数について、SARSの診断は除外診断なので、当初SARSと診断された患者に、後に他の病原が見つかった場合には、SARSの診断が撤回されるため、患者数は変わることがあるとしている。

 一方SARSの患者からパラミクソウイルスが検出されたことについてWHOは、研究の大きな一歩であると評価している。ただし、パラミクソウイルス科にはおたふくかぜやはしかの原因となるウイルスなど、一般的に見つかるウイルスも含まれている。そこで、今回検出されたウイルスも、SARSの病原体ではなく、患者がそうしたパラミクソウイルス科のウイルスの保菌者であった可能性も否定しきれないとしている。

 WHOは、SARS病原体の特定に向けた研究は、未だに進行中であるとしている。SARSに関する研究プロジェクトは17日に結成され、各国11カ所の研究所で共同で行われている。

 なお、パラミクソウイルス科には、ヘンドラウイルスやニパウイルスといった、近年見つかったウイルスで、感染すると死に至る可能性があるものも含まれている。

 詳しくは、WHOのDisease Outbreak Reportedへ。(當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

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