2003.03.18

【日本呼吸器学会速報】 多剤耐性結核、1998年から2000年までの3年間で新たに188例

 多剤耐性結核患者の全国規模の調査結果が3月14日、ワークショップ「呼吸器領域における新興・再興感染症」で報告された。1998年から2000年までの3年間で新たに188例が発見されたとするもので、参加者らの注目を集めた。国立療養所福岡東病院の二宮清氏が発表した。

 調査に参加した施設は、政策医療呼吸器ネットワークに所属する国立療養所54病院の結核診療施設。調査は、1998年以降2000年までの3年間で各施設に入院した多剤耐性結核症例に対するアンケート調査、および2000年もしくは2001年の1年間における各施設での結核患者の実態調査の二つからなる。

 前者の調査によると、1998年以降2000年までの3年間に確認された多剤耐性結核症例は188例で、男性が154例、女性が34例と男性が多かった。

 アンケートでは耐性化の原因についても尋ねているが、それによると、不完全治療により耐性を獲得したと推測される症例は120例(64%)に上った。発病時から耐性があったとするものは56例、不明が12例だった。不完全治療により耐性を獲得したと推測される症例が6割を超えている点は、診療現場で重く受け止められるに違いない。

 188例の合併症については、48例(59%)に糖尿病が確認されている。また、臨床病型は、肺結核が185例とほとんどで、播種性結核が2例、リンパ節結核が1例だった。肺病変は両肺が70%だったため、188例の5%しか手術が受けられない状態だった。肺結核の66%は非広汎空洞型で、不安定非空洞型23%、広汎空洞型10%、安定非空洞型1%だった。排菌量は、ガフキー4号以上が56%、ガフキー3号以下が28%で、培養のみ陽性が16%だった。

 感受性検査からの使用可能薬剤数は、4〜6剤が47%、7剤以上は33%だった。3剤以内が20%だったが、多剤耐性化の深刻さが窺い知れる。

 後者の2000年もしくは2001年の1年間における各施設での結核患者の実態調査によると、参加54施設での結核患者数は7465例。そのうち、多剤耐性結核は364例(4.9%)だった。そのうち、多剤耐性発症後5年以上経過した症例が81例(22.3%)で、60歳以上が60%を占める、男性64例女性17例と男性が多いなどの特徴があった。最近の排菌状況は、ガフキー0号が16人、1〜2号が22人、3〜6号が27人、7〜10号が6人だった。常時排菌者は78%。入院診療は60人で、外来診療も21人いた。

 二宮氏は、中等度の排菌をしながら自宅で生活し通院している患者が、多剤耐性発症後5年以上経過した症例の4分の1(26%)あった点に着目、多剤耐性結核の問題点の一つと指摘した。


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◆市中肺炎診療の実態調査2003

 MedWaveは今年も「市中肺炎診療の実態調査」を実施致します。本調査は、医療現場の第一線で活躍されている先生方に、外来で遭遇する肺炎(市中肺炎)の診療方針や考え方、抗菌薬の処方経験、市中肺炎診療に関する情報ニーズなどをお伺いし、市中肺炎診療の実態を明らかにすることを目的としております。調査結果は後日、MedWave等で紹介する予定です。ご多忙のところ恐縮ですが、何卒ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
◇アンケート画面は以下です。
http://webres.nikkeibp.co.jp/user/MW203122.html
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